ミニマルミュージックの御三家、フィリップ・グラス入門。グラス:「ダンスピース」

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初稿 2016年11月17日

元気が欲しい時どんな曲を聴きますか?こちらは元気が出ること間違いなしの、バレエのためにコンピレーションされたアルバムです。

再びアメリカ音楽で、今回も基本、CDのご紹介になります。これはちょっと異色。作曲者自身が自作からいいとこどりで選んだ曲を、バレエ組曲としてまとめた作品です。フィリップ・グラスはテリー・ライリー、スティーブ・ライヒと並ぶミニマルミュージックの大御所です(他にもいるのですがこの三人は傾向が似ています)。初めて聴く人のなかには、同じところをぐるぐる回っていて頭が変になりそうと感じる向きもあるようですが、好き好きなのでしょう。この三人はそれぞれの個性も強いですし、時とともに作風も変化しています。今回お勧めのCDはこんな感じの出だしです。静かに始まります。

SampleMachine<モバイルではヘッドホンをロングタップして開いてください。音が出ます>

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重い気分からテンションを上げていきたいとき。ショスタコーヴィチ:交響曲第6番

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初稿2016/06/27

重々しく始まり、軽妙洒脱に終える。気分転換にお勧めの曲です。

第5番で名誉を回復したショスタコーヴィチは、続いて第6番をリリース。

曲の始まりは晦渋に満ちた重々しい音楽が続きますが、第2楽章は軽快に、そして終楽章(3楽章形式)では、これはもう思いっきりふざけているとしか思えない。また批判を受けないように注意深く書かれているようですが、「なんじゃこの終わり方は?!」。突っ込みどころ満載です。

ヘッドフォン 第3楽章

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何かに立ち向かおうとするときに。ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

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初稿2016/06/25

クラシックと思って聴くと最初はとっつきずらいかもしれません。何度か繰り返し聴くうちに慣れてきて、そうなるとたいへん力強い意志を感じさせる曲だと思われることでしょう。通して聴くことで気持ちを前向きにし、勇気を与えてくれる交響曲です。それはベートーヴェンの交響曲第5番にも匹敵するでしょう。

苦悩する一人の作曲家がいました。その名をショスタコーヴィチ。彼は体制の弾圧の中でもがき苦しみながら命の危険すら感じつつ作品を生み出し続けた、そう受け止められているはずです。それもまた事実ですが、一人の作曲家としての彼のイメージを幾分歪めているように思えます。

ヘッドフォン 第4楽章

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元気を出そう!簡素にして壮大な小交響曲。ヤナーチェク:シンフォニエッタ

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これは元気を出すのに大変良い曲で、本当は簡素な造りではないのですがスッと心に入ってきます。ガッツポーズも出そうです。気分がふさぎがちな時、やる気が出ない時などにお勧めいたします。

シンフォニエッタは小交響曲という意味があるのですが、実際には「小」とはいいがたいです。演奏時間こそそれほど長いものではありませんが、第一楽章のファンファーレに始まり、終楽章に回帰するまで実に緻密に作曲がなされています。

また、ヤナーチェクはモラビア出身の作曲家ですが、現在で言えばチェコに含まれる地域で、民族的な響きも感じさせます。

第一楽章:ファンファーレ。ノイマン指揮、チェコフィルハーモニー管弦楽団。

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超有名曲なのに出処が違う?ビゼー:「アルルの女」第二組曲

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とてものどかなパストラール、メヌエット。気持ち高ぶるファランドール。どの曲も懐かしい何かを思い出させて、濁った心を爽やかにしてくれます。

ところで、誰もが聴いたことがあると思われる「アルルの女」のメヌエット。ところがこのメヌエットが実は「アルルの女」に含れる曲ではなかった?なぜこんな珍妙なことが起きたのか?

とにもかくにも思いっきり賑やかな幕切れで私たちを活気づけてくれるこの戯曲。実は悲劇だったってご存知でした?

小澤征爾の指揮で

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時代に先んじ過ぎた?ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

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ショスタコーヴィチといえば代表曲は第5番。当然それ以前に発表された曲と考えるのが普通ですが、作曲されたのは1936年ころと思われるのに初演は1961年。なんと25年ほども後のことなのです。第5番の初演が1937年ですから、いかに発表が遅れたかがわかります。

実はショスタコーヴィチは1936年に発表したオペラとバレエでソビエト当局の批判を受けて非常に危険な立場にいました。おそらく独裁者のお気に召さなかったのだと思います(ソルジェニーツィンの著作の中で、独裁者が「第5番」を聴きながら心の中で快哉を叫ぶシーンがあります。心の中なのであくまでもフィクションなのでしょうが、まさに作曲者の首がつながった瞬間です)。当時のソビエトではこんなことで粛清されてしまうことが珍しいことではなかったのです。欧米の影響を受けていると判断されただけでも批判の槍玉にあがります。ショスタコーヴィチは何とリハーサルまで終わっていたこの曲の楽譜を回収し、初演を断念します。身の危険を感じたからでしょう。さて一体どんな音楽だったのでしょうか?134名の大所帯です(彼の最大規模)。

狂ったように疾駆するフーガ(フガート)。これでも指定のテンポより遅いらしい。

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何かが、何かが、何かが迫ってくる。マルティヌー:2つの弦楽オーケストラ、ピアノとティンパニのための二重協奏曲

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実のところそれほど聴きこんできた曲ではありません。でもどこかで聴いていて、最近になって曲名がわかりました。そしてはまってしまいました。マルティヌーは軽い曲も書いていて、「キッチン騒動」とか、軽妙洒脱なイメージを持っていました。フランスかな?などと勝手に思っていましたが、チェコの作曲家であることを改めて知りました。どうもプーランクと混同していたような…。

この曲は私の持っていたマルティヌー感を完全にひっくり返してくれました。シリアス、沈痛、晦渋、激昂。そして、もしこの曲の構成がチャイコフスキーの弦楽セレナードにインスピレーションを受けたといわれても(誰もそんなこと言ってないと思いますが)、私には意外でも何でもありません。もっとも方向性は全く逆を向いているのですが。

第二楽章 ラルゴ

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暑さをふっとばせ!チャベス:「シンフォニア・インディア」

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アルゼンチンにジナステラ(ヒナステラ)あれば、メキシコにチャベスあり、というわけで、カルロス・チャベス(正式には”カルロス・アントニオ・デ・パドゥア・チャベス・イ・ラミレス”)は、メキシコの民族音楽を取り入れた多作な作曲家です。指揮者、教育者としても活躍しました。ネイティブ・アメリカンの要素も含めて、非常に新しいメキシコ・クラシック音楽を創生していきます。これまた熱気あふれるもので、ぜひとも夏を乗り切る応援歌として聴きたいところです。

決して暑苦しい音楽という意味ではありませんので。非常に清涼感のある部分も含んでいます。民族楽器なども用いた楽しい曲です。

デュダメルによる前半

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