夜の静寂をやさしく包み込む。レスピーギ:「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲

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初稿 2017/07/19

今年はいきなり秋がやってきました。秋は意外と雨の多い季節。夜の静寂をいささか執拗に打ち叩くように雨音が聞こえてくるのも、時には風情があります。何かと気ぜわしい生活の中で、心落ち着く良い響きです。今回紹介するのは同じように、騒ぎ立つ心を鎮めてくれる作品で、

  1. イタリアーナ
  2. 宮廷のアリア
  3. シチリアーナ
  4. パッサカリア

の4曲からなる組曲です。「リュートのための」となっていますが、これはレスピーギが古いリュートのための曲を編曲したもので、リュートは使いません。第3組曲は弦楽合奏あるいは弦楽四重奏の演奏もあるとのこと。

やさしく眠りにいざなってくれること請け合いです。

特に第3曲のシチリアーナは誰もがどこかで耳にしているはずです。

第3楽章 シチリアーナ

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原曲って何だろう。ヘンデル:組曲「王宮の花火の音楽」

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華々しく明るい曲です。元気が出ます。

戦争の終結を祝って催された花火大会のために作曲されました。もともとは軍楽隊によって演奏するために作曲されましたので、大規模な管楽器のための曲でした。そののち管楽器を減らし弦楽器を加えて、管弦楽合奏版に編曲しました。ですから、原曲からすぐに自分自身で編曲がなされたわけです。その後今日のオーケストラのために編曲されました。ですからほとんどの場合、私たちは原曲ではなく編曲を聴いているのです。

序曲(全五楽章です)

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ヴァイオリンとフルート、お好みはどちら?プロコフィエフ:フルート・ソナタ(ヴァイオリン・ソナタ第2番)

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とても楽しく気分が盛り上がる曲です。少しややこしい記事タイトルですが、プロコフィエフがまず作曲したのがフルート・ソナタ。聴衆の受けは好評だったのですが、なぜかフルーティストがあまり取り上げない。それで名ヴァイオリニスト、オイストラフの要望もあってヴァイオリンのために編曲しなおしたのがヴァイオリン・ソナタ第2番というわけです。

フルート版(ゴールウェイ)<モバイルではヘッドホンをロングタップして開いてください。音が出ます>

ヴァイオリン版(クレーメル)

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作曲?編曲?気持ちをパッと明るく。ストラヴィンスキー:「プルチネルラ」

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バレエ音楽ですが、全曲演奏されることはまれで組曲版がよく知られています。と言っても時間も大して変わらないし、独唱者がいないくらいの違いですが。

もともとバレエ・リュスのために古楽のペルゴレージの作品を編曲したものと言われていましたが、ペルゴレージ以外の曲も使われていることが現在ではわかっています。いずれにしても、音楽は作曲ではなく編曲と言っていいでしょう。

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しかしそれでも、あのストラヴィンスキーのことですから、見事にまで隙のない編曲を行っています。
バレエ自体はイタリアのコメディア・デラルテを構想の元にしています。

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いろいろな編曲で楽しむ。ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

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今さら感があるほど有名な曲ですね。もともとピアノ曲です。やや泥臭く洗練されておらず、よく言えば土俗的なロシアらしさを一番感じさせてくれます。オリジナル版を最初に聴いておきたいです。
この組曲のピアノ曲としての難易度は、曲によってかなり幅がありますが、ただ弾くだけなら難しくない曲も多くある一方、聴かせる演奏をするのはなかなかに大変なことでしょう。

ヘッドフォン まず、ピアノ版を押さえておきましょう。プロムナードのテンポが小走り?

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