ピアノ協奏曲が続きます。正統派の協奏曲らしい協奏曲です。
- どんな曲?
コンクールの人気曲で、プロコフィエフのピアノ協奏曲の中でもっとも有名でよく取り上げられる曲です。快活で熱気に富み、深みもあります。
- どんな時に聴くとよい?
元気を出したい時は最高!出だしは穏やかなので「本当?」と思うかもしれませんが、オーケストラも存分に活躍するハッピーな傑作です。
コンクールでよく演奏されるということは、ご想像通りピアノは難技巧です。初演ではプロコフィエフ自身がピアノを弾いたそうで、ピアニストとしてもなかなかの、どころか相当な腕前だったのですね。ですが、そういうことに過度に注意を引くことなく、純粋に音楽に入り込めます。
第1楽章:静かなクラリネットのメロディーに始まります。ゆったりした部分がしばらく続くのですが、突然テンポの良い弦楽器が助走をつけていよいよピアノが飛び込んできます。ピアノとオケの掛け合いが楽しいです。オケの各楽器がその特徴を生かしてソロを取ったりするのですが、オーケストレーションもさすがです。息つく間もなく最高潮に達して最初の楽章は終わります。
第2楽章:主題と変奏です。通例通り緩徐楽章のはず…なのですが、「変奏」の示すようにテンポは色々と変わります。結構盛り上がるところもあるのですが、全体としては心を少し落ち着けることができます。作曲者の理性的な面を感じ取れます。天才だからこそ努力を惜しまないのですね。
第3楽章:出だしがやや日本的ということで、このテーマは亡命旅行中に日本で聴いた「越後獅子」からインスピレーションを得ているという説があるようですが、証拠はないようです。でも影響を受けていたとしても不思議はないですね。それを引き継ぐピアノのメロディーには、もう日本の面影はないようです。もちろんこの主題をピアノが弾く場面もあるのですが。ピアノはかなり打楽器的な扱いを受けています。最後はオーケストラと同じリズムを刻んで爆発的なフィニッシュとなります。
端正なクラシックです。プロコフィエフのピアノソナタは結構現代的な響きが多いのですが、この協奏曲には突き放したようなところはなく、同じ作曲家の作品とは思えません。とにかくノリノリですから元気を出したいときには是非聞いてみてください。
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調 マルタ・アルゲリッチ 、 クラウディオ・アバド ¥1,836
誰が何と言おうと歴史的名演!ラヴェルもいいですがプロコフィエフは最高!昨年再プレスされたのですね。やはりいいものは残りますね~。
未聴ですが間違いないと信じています。このコンビのチャイコフスキーの協奏曲は鳥肌ものでした。確実にやってくれるでしょう。
CDの方が在庫わずかでしたのでデラックス版を紹介しておきます。
まったく同じチョイスをさせていただきました。
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