- どんな曲?
フルネームは「序奏とアレグロ-ハープ、弦楽四重奏、フルートとクラリネットのために」です。ハープが最初に書かれていますが、目立った役割をハープが果たしています。言ってみれば小さな協奏曲のようです。
ハープという楽器の持ち味である幻惑的で魅力的な世界が広がります。序奏はフルートとクラリネットで始まり、弦楽四重奏がそれに続いて不思議なメロディーを奏でます。実はこの二つの旋律が柱になって全曲が組み立てられていると言ってもよいでしょう。伴奏的な役割に回っていたハープが前面に出るとアレグロの始まりです。アレグロの主要なテーマ(序奏で弦楽器で最初に奏されるもの)はハープの響きでは爽やかな風を思わせます。
- どんな時に聴くとよい?
リラックスしたいときには是非お勧めです。短い昼寝の時とか、ロマンティックな気分の時にも良いですね。疲れた時にふわふわと漂うような気分にしてくれます。心の温泉、ともいえるでしょうか?それもぬるめの。
楽器の数からもご想像がつくように、「序奏」と言ってもバーンと始まるのではなく、ごくごく静かに始まります。「アレグロ」と言ってもいきなりスピードアップが感じられるものとも違います。時に速度を落とし、ゆったりしたハープのソロも聴かせてくれます。
幾分ドビュッシーの影響が感じられるでしょうか?実際はラヴェルは「印象派」に大雑把に含められることもあるようですが、ドビュッシーほど曖昧模糊とはしていません。調性感も比較的はっきりしていますし、リズムもそうです。でもこの曲ではこと調性に関してはつかみどころのないふわふわ感があります。
好みがわかれるところかもしれません。が、ラヴェルファンに受けなくとも良い曲は良いですね。比較的マイナーなのは編成が特殊なため演奏会にかけられる機会が少ないのかもしれません。私は好きです。最後は元気よく終わるので、やる気も出てきます。
ゆったりした気分でお楽しみください。
イマージュ クラシーク~ラヴェル レナード・バーンスタイン 、 フランス国立管弦楽団 、 ニューヨーク・フィルハーモニック 、 フィリップ・アントルモン 、 矢部達哉 、 横山幸雄 、 ポール・クロスリー ¥2,057
アンサンブル・ウィーン・ベルリンによる演奏がお勧めなのですが(検索可能)、カップリング的にクラシックのCDでお勧めがなく、こちら「イマージュ」シリーズに収録されていましたので推薦します。二枚組の二枚目、六曲目に収録されています。ユニークな取り合わせです。
シャラン(ハーピスト)については正直よく知りませんが、ハープを中心とした選曲のようです。
両者の弦楽四重奏曲の最後に収録されています。
こちらは10枚組でして、全部モノラルですが、ラヴェルの指揮した「ボレロ」とか、ミケランジェリの弾くピアノ協奏曲ト長調とか変わり種です。リリー・ラスキーヌのハープで聴けるのがこちらです。なんといってもラスキーヌだと思うのですが彼女の弾くアルバムは単発は廃盤でBOXのみのようです。ハープ三昧がしたい方がおられましたらこちらか、またはさらに検索してみてください。
どうもタイミングが悪いようですね。タワレコでアンサンブル・ウィーン・ベルリンのカップリングが良ければと思うのですが…。もちろん好みの問題なので仕方ないと思いますが、「序奏とアレグロ」はおまけみたいな感じで(笑)。私は「イマージュ」がなかなかどうして良いのではないかと思います。
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