ここ一番!というときに自信と落ち着きを。ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

Wendy CorniquetによるPixabayからの画像
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  • どんな曲?

ベートーヴェンが最後に完成させたピアノ協奏曲。それまでは初演でピアノを弾いていたが、難聴の悪化により別のピアニストが代役を務めました。曲のタイトル「皇帝」は後付けで、その堂々として凛とした曲想にまさにふさわしいもの。以前はオーストリア皇帝に献呈されたものと聞いたような気がしたのですが、ずいぶん前の話なのでガセネタか、研究が進んで真実がわかったのかもしれません。

  • どんな時に聴く?

ここ一番というときに。って?「お嬢さんを僕にください!」とか「今日の営業は絶対ものにするぞ!」とか。度胸を据える、腹をくくる、自信をもって胸を張って「さあ、行くぞ!」というときに聴いてみてください。音楽の泉からこんこんと自信と勇気が湧いてきます。

バレンボイムの弾き振り。少なくとも2分以上は聴いてほしい。

どうですか、この自信に満ち満ちた音楽は。作曲家の命ともいえる聴力を失わんとしている人が、こんなにも力強く希望にあふれる音楽を書けるなんて。やわな自分にはとても考えられません。といって、そこにいるのは孤高を気取って人を寄せ付けない鋼の神経の持ち主ではありません。悩み、苦しみ、もがきながらこの傑作を生みだした、繊細で時に弱く、遺書もしたためた我々と同じ人間なんです。しかも始めはこの傑作も評価はいま一つという重石まで背負わされます。

自分の不安がちっぽけに見える、とかそんなレベルではありません。自分もいける、やればできる、あきらめるな、勇気を奮い起こせ、という気持ちが内面からふつふつと湧いてくるのです。外側から「頑張れ」とか言われている感覚ではありません。人間は弱い者。でも誰もが秘められた力を持っている、そんな風に信じさせてくれる音楽です。

誰でも自信を粉々に打ち砕かれたり、勇気が持てずに縮こまってしまったり、そんなことはざらにあるでしょう。そこから前に進んでいく、それこそが人として真価を問われる場面ではないかと思うのです。ベートーヴェンはそれをやってのけた。「第9」を指揮したときはもうほとんど音は聴こえなくなっていたともいわれています。どこまでが本当の話か分かりませんが、聴衆の大歓声が聞こえずに、団員に後ろを見るようにさせられて初めてその交響曲の大成功を理解したとも言われています。

謙虚であることは無論大切なことです。でも真の謙遜さは自尊心がなければ生まれてきません。自分を客観的に見て長所も短所も受け入れること、そして自分を変えていくこと、それこそが人生を豊かなものにするのではないでしょうか。「ありのままの自分でいい?」ありのままってなに? そうしたら成長ってなんなの? 進歩は?

もっと強く愛したい。優しくなりたい。親切になりたい。勇気を持ちたい。でも人には個性があります。それは持ち味だからさして変わってはいきませんね。それでもなお、変化はあるんじゃないかなと思います。そして、誰もが他の人とは違っている。それを無理に変えるのではなく伸ばすんです。気が進まない?

ベートーヴェンはやりました。もちろん私にはあんな飛び抜けた天賦の才はないけれど、惰性で生きるなんてまっぴらごめんです。あぁ、「皇帝」にあてられて今日は饒舌です。止まらなくなりそうなのでもうやめますね。

一大決心をしたら。自信が揺らぐとき。ぜひ通して聴いてみてください。

 

Beethoven: 9 Symphonies, Piano Concertos No.3 & No.5<限定盤> ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ¥11,061
こちらは6枚組ですがちとお高いです。しかし交響曲全集とともに「皇帝」はなんと「あの」ワイセンベルクがソロを弾きます。東京でのライブ録音で技師はなんと若林駿介氏、といってもお若い方はご存じないでしょうね。N響アワーの担当から彼が卒業したとき、知らなかったけれども音でわかりました。あっ、替わったなと。

Beethoven: Piano Concertos No.3, No.5 アレクシス・ワイセンベルク 、 ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ¥2,736
上記のBOXからの分売です。本当ならこちらだけ紹介すべきなのでしょうね。ライブです。SACDも同時発売ですが、なんと¥4,242。でも若林駿介さんだからなぁ。もちろん録音自体はアナログの時代です。いや、なおのこといいかも。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番≪皇帝≫ ピアノ・ソナタ第31番 アルフレート・ブレンデル ¥1,620
名手ブレンデルのピアノを若きレヴァインが支えます。オケはシカゴ交響楽団。ソナタが付いているのがミソ。こちらは心を落ち着かせるのに役立ちます。用法・用量を守って使い分けてください。

Beethoven: Complete Piano Sonatas and Concertos アルフレート・ブレンデル ¥5,393
ソナタと協奏曲の全集です。ハイティンク&ロンドン・フィル。いっぺんに揃えたい向きにはこちらをお勧めします。

Beethoven: Piano Concertos No.1-No.5, etc エミール・ギレリス 、 ジョージ・セル 、 クリーヴランド管弦楽団 ¥2,116
ベートーヴェンといえばギレリス。セル、クリーヴランドとくればはまりますね。お安いですが3枚組。

 


ベートーヴェン : 交響曲全集 | ピアノ協奏曲 第3番 & 第5番 (Beethoven : 9 Symphonies ~ 1977 Live in Tokyo / Herbert von Karajan | Berliner Philharmoniker) (6CD) [Live Recording] [Limited Edition] [日本語帯・解説付] Live, Box set ¥9,500
長い。長すぎる。タイトルは長いが価格は良い。ギフトかポイントがあれば…。とにかく録音・演奏にケチをつけている人は一人もいない。パッケージが不評。音楽には関係ない。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番 ツィマーマン(クリスティアン)  ¥1,600
YouTubeでも聴けるバーンスタインとの共演。自身のピアノとともに旅する男ツィマーマンは本当に素晴らしい。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(期間生産限定盤) Limited Edition グレン・グールド ¥990
安い!しかも高評価なのです。グールドとストコフスキーと聞くと好奇心が先に立って…。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番(皇帝) シフ(アンドラーシュ)  ¥976
こちらも安いですね。シフとハイティンク。こちらは安心感があります。高評価。

Amazonてちょっと探しにくいですね。やはり専門店タワレコと比べるのは酷というものでしょうか?でも安くて良い盤が見つかりました。

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