アメリカ大陸と同様の雄大な音楽。コープランド:交響曲第3番

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  • どんな曲?

壮大で雄大な交響曲。アメリカの作曲者コープランドの最後の交響曲。20世紀作品とはいえ現代音楽というよりも、いわゆるクラシックな交響曲です。第3、第4楽章は続けて演奏されます。

  • どんな時に聴くとよい?

雄大さに浸ってリラックスするもよし、壮大なクライマックスを迎える終結部に向かって自分を奮い立たせるもよし。

第4楽章・前半。

ゴロンと横になって手足をいっぱいに伸ばして、雄大さに浸りたい交響曲です。開放感一杯です。始めの方はあまり明確な「テーマ」的なメロディーが少ないので、ゆったり響きに身を任せると心も広やかになっていきます。楽章ごとに分類はしにくいのですが、全曲を通して強弱、緩急、といった対比・対話が目立ちます。20世紀の作品としては非常に聴きやすいです。もちろん不協和音になる部分もありますが、「必然性」が感じられます。そういう部分では大陸のあまりの広大さの前に畏怖の念さえ感じている開拓民の姿が思い浮かびます。

終楽章はその意味でも大変バランスがとれていて、最終的に雄大で壮大な大地を開拓し、大地と一体化していった人々の姿が思い浮かびます。心がとても広くなっていくのを感じます。聴き終える頃には気持ちがスーッと軽くなっていることでしょう。

第1楽章:のどかな伸びやかな導入部から徐々に楽器数を増していきます。弦楽器のサポートを受けつつ木管楽器から金管へと緩やかなファンファーレ風になったところに打楽器が打ち込まれ、再び今度は弦楽合奏が優しいメロディーを紡いでいきます。トランペットが伴奏に回っているのも面白いところ。再びファンファーレ風に力強くなっていきますが、今度は打楽器との掛け合いもあって、徐々に緊迫感が高まってきます。アメリカ大陸の雄大さを歌い上げるようです。基本的にはこの繰り返しなのですが、歌えるようなメロディーが少ないのが特色。高音域のきらびやかさが披露されると今度は中低音域のどっしりとした応答が対称を成す、という感じで「対比」に焦点が置かれているようです。静かに結ばれます。

第2楽章:明確なホルンの雄叫びで曲は始まります。西部開拓史を思わせる楽章です。トランペット、トロンボーンとファンファーレ風の叫びは歌い継がれ、そのあとテンポを増していくらか歌えるようなメロディーが登場します。西部劇の馬の疾走シーンのようです。木管のユーモラスなメロディーがやはり金管、弦楽器、打楽器と引き継がれていきます。ファンファーレ風の楽句が金管で強奏されて終わりかと思わせると、すぐに優しい穏やかな場面に入っていきます。川の流れのようとか、日常生活を思わせる部分です。再びユーモラスな疾走シーンに入っていきます。そして今度もラッパの響きが大音量に全体を盛り上げていくと、力強い打楽器との掛け合いのなか今度は本当にバスドラムの一閃で幕を閉じます。

第3楽章:静かに現代的な響きのうちに始まります。不協和音も多用されていますが、それなのに人なつこい、懐かしい響きなのはなぜでしょうか。いよいよ音楽は静まっていき、「夜」…なのでしょうか?聴きようによっては、様々な部分の変奏によって成り立っているのかもしれません。次の楽章と続いて演奏されるものの、この楽章の終わりは非常に明確に感じ取れます。

第4楽章:第3楽章から続けて演奏されます。木管楽器が静かに奏でるメロディーは広大な手付かずの大陸大地を思わせます。そして低音楽器、打楽器に鼓舞されて金管楽器が輝かしくこの主題を奏します。そう、この部分が彼の名作「市民のためのファンファーレ」なのです。「庶民のため」と訳されることもあります。もちろんそのままの引用ではありません。始めは日の出のように木管が静かに歌い、その後を継いで金管楽器が加わりますが、この部分が引用といえます。この明確なメロディーは弦楽器にも静かに引き継がれていきますが、明確に途切れることなくテンポの速い明るい楽句が登場します。ピアノの音がよく聴こえるのもこの部分です。ますます元気良くなってきて、ファンファーレのメロディーの変奏を主として、弦楽合奏部分にはとても楽観的で陽気な気質が感じられます。徐々に盛り上がりを見せ、決して焦ったテンポにならず、ファンファーレの最後の部分が吹き鳴らされるとコーダへと突入します。コーダでは、鉄床(かなとこ)がリズミックに打ち鳴らされ、メロディーは違えども「ファンファーレ」の部分を思い起こさせる輝かしい響きで、雄大でダイナミックなエンディングを迎えます。

 


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