とてものどかなパストラール、メヌエット。気持ち高ぶるファランドール。どの曲も懐かしい何かを思い出させて、濁った心を爽やかにしてくれます。
ところで、誰もが聴いたことがあると思われる「アルルの女」のメヌエット。ところがこのメヌエットが実は「アルルの女」に含れる曲ではなかった?なぜこんな珍妙なことが起きたのか?
とにもかくにも思いっきり賑やかな幕切れで私たちを活気づけてくれるこの戯曲。実は悲劇だったってご存知でした?
実はこの第二組曲、ビゼー本人によるものではありません。第一組曲は確かに自作なのですが、こちら第二は彼の友人であったギローがビゼーの死後に編んだものなのです。
第1曲:パストラール
穏やかな文字通りの牧歌です。心が和みます。
第2曲:間奏曲
サクソフォーンを使った初期の曲です。何事か起きそうな間奏曲ですね。
第3曲:メヌエット
「アルルの女」といえばこれ。とだれでも思うのですが、実はこの曲こそ「アルルの女」に含まれてはいなかったのです。編者のギローが「美しきパースの娘」から引用してきたものなのです。なのにこんなに有名になってしまいました。
第4曲:ファランドール
元気いっぱいの終曲。実際の劇でもクライマックスで用いられるのですが(もっとも組曲版では編曲がなされています)、聴いた後には熱狂と爽快感が残ります。ただですね、実は劇ではここで悲劇的な幕切れとなるのですが、あえて秘します。
さて、いわくつきの組曲ではありますが、音楽として楽しめればよろしいのではないでしょうか。
こうしてみると、やはり組曲として構成されているCDは少ないものですね。メヌエットとファランドールが有名なせいでしょうか?あとは名曲選などに含まれています。「気分にあわせたクラシック」なので、そういったCDを選んだほうが良いのかもしれません。
少々悩むところではあります。