晩秋から早春へ。フランク:「ヴァイオリン・ソナタ」

このページにはプロモーションが含まれます。
  • どんな曲?

晩秋から冬、そして初春へと流れる季節を歌うようなソナタです(私の抱いた印象)。結構ピアノも活躍します。原題を直訳すると「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」となり、作品にぴったり。

  • どんな時に聴くとよい?

ソファや床に寝転んでリラックスしたいときに聴くとよいです。集中して疲れたときに一息入れるのにもよいですね。

第四楽章

4つの楽章からなっています。多くの演奏家の演奏欲を刺激して、フルート版、チェロ版もあります。今調べましたら、ピアノ独奏版や連弾版、ピアノパートをオーケストラに編曲したものまであるそうです。それだけ「演奏したい」という気持ちにさせる名曲と言えるでしょう。

第一楽章:すっかり落ち葉に覆われた舗道をゆったりと歩いているような気持になります。柔らかなピアノの音色に導かれてヴァイオリンがおずおずと歌い始めます。去りゆく秋を惜しんでいるかのようです。明るさと寂しさとが入り混じった魅力的な旋律です。そのあとに続く長いピアノソロも印象的です。ヴァイオリンは最初の歌を基本主題として少しずつ形を変えながら歌い続けます。

第2楽章:ピアノソナタかと思うような導入部です。第一主題のひとくさりはピアノだけで演奏されます。そこにヴァイオリンが絡んできます。厳しい冬を思わせるアレグロです。少し速度を落として、途中ヴァイオリンが長い旋律を受け持つ部分から優しい表情が見られますが、芯の強さを感じさせます。再び最初の主題に戻りますがヴァイオリンの出番が多くなります。

第3楽章:ちょうど第一楽章を裏返したような印象です。厳しい冬は過ぎゆきつつあるのでしょうか?第一楽章の第一主題が引き延ばされて少しだけ顔を出します。季節の変化に伴うなにがしかの感傷を歌っているのでしょうか?まったくの私個人の解釈で、曲はいわゆる絶対音楽、つまり何かを表現したり描写したりしているわけではないのでしょうが、どうしてもそう聞こえてしまいます。

第四楽章:旋律がピアノを先頭にカノンで演奏されて始まります。まさに暖かさを湛えたメロディーです。長調と短調の入れ替わり、使い方が素晴らしいです。いったん短調で山場がきて、それを過ぎた後に再びカノンで主題が演奏され、そのままの明るさを保ってダイナミックに曲を閉じます。

以上、全く私の主観で紹介しましたが、絶対音楽ですからどんな聴き方もできます。結構身が引き締まる思いがするのは私だけでしょうか?ときどき無性に聴きたくなる音楽です。


フランク、ドビュッシー、ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ シュロモ・ミンツ 、 イェフィム・ブロンフマン ¥1,234
比較的新しい録音の中からはこちらを推薦します。素晴らしいです。

Franck: Violin Sonata in A major (1929); Chausson: Concert for Violin, Piano & String Quartet Op.21 (1931) / Jacques Thibaud(vn), Alfred Cortot(p), etc ジャック・ティボー 、 アルフレッド・コルトー ¥2,294

フォーレ: ヴァイオリン・ソナタ ジャック・ティボー 、 アルフレッド・コルトー ¥2,880
上記二枚は同じCDではありません(収録曲が違います)が、フランクのソナタは同一の音源と思われます。相当に古い演奏ですが決定盤とのことでしたのでご紹介します。上は輸入盤、下は国内盤で、国内盤は少し高いものの、フォーレのソナタ以外は初期のLP並みの音質に整音されているとのことです。輸入盤は1929年の録音日が記されているのみです。

パリ~ベル・エポック [Blu-spec CD2] ヨーヨー・マ ¥1,944

Paris – La Belle Epoque (Remastered) ヨーヨー・マ ¥1,762
こちは同じCDです。チェロ版のソナタです。下の輸入盤の方が安いですが、お取り寄せになっていましたので、在庫ありの国内盤も併記しておきます。

フランク:ヴァイオリン・ソナタ ブラームス:ホルン三重奏曲 イツァーク・パールマン 、 ヴラディーミル・アシュケナージ 、 バリー・タックウェル ¥1,620
1968年録音当時、若手の中では最高のデュオとされた二人とのことで選択しました。


Amazonでは邦人演奏家に的を絞ってみました。一部を除きタワレコにもありますので、ポイントなどありましたらタワレコのバナーから入って検索してみてください。


フランク&エルガー:ヴァイオリン・ソナタ(期間生産限定盤) Limited Edition 五嶋 みどり ¥990

新たにプレスされたもので、通常盤よりもぐっと安くなっていますので入手するチャンスです。26歳当時の演奏。情熱的な演奏がお好きな方にお勧めできると思いました。


ロマンティック・ソナタ~プレイズ・フランク、ブラームス、R.シュトラウス 神尾真由子 ¥2,000~
日本人も国際的なコンクールでの優勝が多くなりました。このジャケットはわりと品が良いのかな?。演奏の充実ぶりが高く評価されています。


ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 樫本大進 ¥1,574
さらに言うと史上最年少優勝もよく聞く話題。こちらは「のだめ」でも有名なベートーヴェンの「春」とのカップリング。優しく温かい音色に癒されてください。


フランク&R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 他 諏訪内晶子 ¥2,672
こちらも史上最年少優勝組。この演奏は抑制も効いた大人の音、と感じました。

(Visited 192 times, 1 visits today)

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください