ショパンを甘ったるい音楽だと思っていませんか?ショパン:ピアノソナタ第3番

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  • どんな曲?

有名曲ではありますが、ショパンの曲の中では比較的認知度は低いと思います。第四楽章を聴けば「あ、この曲か」と思う方が多いでしょう。いわゆるショパン的(例えばノクターン)な自由でロマンティックな曲に比べると、いくらか形式的と言いますか、様式美が際立っています。そうはいってもショパンですから「うっとり」すること間違いなしです。

  • どんな時に聴くとよい?

心の安らぎを得たいとき、そして何より終楽章が盛り上がっていきますので、気持ちを上げていきたいときに聴くとよいでしょう。

第一楽章

ショパンは三曲のピアノソナタを書きましたが、第一番はほとんど演奏される機会がありません。第二番も有名な曲です。が、かなり癖があり好みがわかれることでしょう。第一楽章、第二楽章では気分が目まぐるしく変わりますし、第三楽章は有名な「葬送行進曲」です。もっとも中間部の美しい旋律はそれほど知られていないように思います。そして終楽章の第四楽章、これがかなり問題です。左右の手でずっとユニゾンで旋律ともつかないハイスピードの演奏が続き、突然に終わります。シューマンはあまり気に入らなかったようです。もしかすると作曲当時のショパンの精神状態が不安定であったのかも、とも思わせます。

さて、第三番ですが打って変わって安定した、全体が非常によく統制のとれた作品となっています。抒情性もさることながら対位法を学んで、バッハに対する敬愛が表れていることも影響しているのかもしれません。

第一楽章:悲し気な旋律で始まりますが、寂しさを程よく含んだ明るい旋律に移行して、本当にうっとりとします。自由奔放ではなく、形式が整い、しっかりした構築力が示されいて、リラックス効果とともに気持ちをシャンとさせてくれます。

第二楽章:こちらはまさに「自由奔放」。急-緩-急の構成で、速い部分はピアニストの腕の見せ所。何をどう弾いているのかわからないくらいですが、こちらは鳥が飛びかいながらさえずっているような明るく健全で元気の良いメロディーが聞こえてきます。中間部は第三楽章に備えるかのようにリラックスした曲です。

第三楽章:リラックスの一語に尽きます。凝り固まった心もほぐれていくようです。いきなり強奏で始まるのでどうなるのかと思うのですが、すぐにゆったりとしたメロディーに包まれます。気持ちよく眠ってしまいそうになります。決して退屈するという意味ではありません。何かがピーンと張りつめているような、息を呑む美しさも併せ持っています。

第四楽章:短い序奏に続いて第一主題が三回繰り返されます。繰り返されるごと左手の音数は増えていき、メロディーはいよいよはっきりと浮き出てきます。基本的にその間に第二主題が演奏されます。第一主題は短調、第二主題は長調で書かれていて明暗の対象がますます気分を引き立てます。コーダの部分は思いっきり明るく、演奏は非常に難しいと思いますが効果は抜群です。心が洗われるとともに、俄然元気が湧いてきます。

曲を通して難易度は高い方だと思います。第三楽章は楽譜面は簡単そうですが、表現の点では難しいです。ただ弾くだけならともかく、聴衆の注意を引き付けて飽きさせない演奏をするのは優れた演奏家だけでしょう。

現代のピアニストたちが好んで取り上げていますので、CDの選択は迷うところでもあり楽しいところでもあります。

 

最初の三枚はアルゲリッチです。

Martha Argerich Vol.4 – Chopin: Piano Sonata No.3, Nocturnes Op.15-1, Op.55-2, Barcarolle Op.60, etc マルタ・アルゲリッチ ¥2,116
1965年第7回ショパン国際コンクールのライブです。音源はモノラルですが様々なショパンの名曲を聴くことができます。

ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 幻想ポロネーズ/英雄ポロネーズ 3つのマズルカ作品59 マルタ・アルゲリッチ ¥1,728
ソナタ第3番を中心に、英雄ポロネーズなども入った良い選曲だと思います。コンクール優勝の二年後の録音です。

Martha Argerich -The Collection Vol.1 (The Solo Piano Recordings) マルタ・アルゲリッチ ¥4,242
アルゲリッチに焦点を合わせたセットで、ショパン以外もいろいろ収録されています。このセットの二枚目が上掲のものと同じようです。一枚ずつ入手するか、まとめてか?といったところでしょうか。8枚組。

ショパン:作品集 ピアノ・ソナタ[全曲]/ノクターン[全曲]/即興曲[全曲]/バラード[全曲] ワルツ[全曲]/スケルツォ[全曲]/前奏曲[全曲] 他 ダン・タイ・ソン ¥3,909
ショパンに愛されたピアニストと言われたダン・タイ・ソン。ただし彼以外のピアニストが弾いている録音が含まれています。ソナタはすべて彼ですが、商品ページに詳しく書かれています。6枚組。

ショパン: ピアノ・ソナタ第2番, 第3番, 即興曲(第1-4番), 舟歌, 幻想ポロネーズ, 他 (DECCAステレオ録音)<タワーレコード限定> ヴィルヘルム・ケンプ ¥1,851
こちらは逆にショパンとは縁遠いと思われるケンプの演奏。主にバッハ、ベートーヴェンに傾倒していく晩年の頃の作品が選ばれているということで、その筋の大家による演奏には興味引かれるものがあります。残念ながら聴くことができません。ケンプの弾くショパンに興味を持たれた方に。

 


ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、幻想ポロネーズ、英雄ポロネーズ、3つのマズルカ作品59 アルゲリッチ(マルタ) ¥1,584
タワレコで紹介したものと同じです。カスタマーレビューをご覧ください。私の言いたいことがすでに書かれています。


ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ギレリス ¥1,020
彼もいわゆるショパン弾きではありませんね。ベートーヴェンにも敬意を示していたショパンをどう料理するか、興味津々です。奇をてらったものではありません。


ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲」&第3番 ワイセンベルク(アレクシス) ¥1,013
これはもう筆舌に尽くしがたいです。Amazonではなぜかもう一枚、レーベル違いで値段の高いものがあり、レビューはそちらに書いてありました。ご参考までに。

ワイセンベルクは本当にそんなに凄いのか?凄いんです。Yahooと楽天も載せておきます。


CD/アレクシス・ワイセンベルク/ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番(葬送)&第3番 1,027円

 

ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番≪葬送≫&第3番 アレクシス・ワイセンベルク 1,022円
楽天ブックスはダントツに安かったのですが、人気なのでしょう。強気に出てきました。

改めてレビューを書きます。

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