秋来たりなば冬遠からじ。シベリウス:バイオリン協奏曲

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情熱家にお勧めします。

北欧と聞いてイメージするどんよりとした空、短い日照時間、白夜(矛盾?)など少々暗い印象通りの曲です。でも夏のわずかな輝くような光もまた感じる部分があります。何しろスピリットが熱い。

作曲者自身の言葉によれば、「冬になると私は決まって鬱になる」というところでしょうか。「うつ」といっても「うつ病」のことではないでしょう。春になると治るわけですから。それとも、うつ病にはそのような症状の人も含まれるのでしょうか?

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少なくとも作曲時は鬱ではやってられないと思いますので、もっと日の長い時期に書き上げいたのだと想像します。
初稿の初演が2月ですからだいぶ早めに作曲したのではないかと勝手に思っています。改訂版は10月初演とのことです。

初稿の存在は調べていて初めて知りましたが、ブラームスのバイオリン協奏曲の影響で、よりシンフォニックに、凝縮をして、独奏者の名人芸を少し抑えて(え?)書いたとのことです。
引っかかるのが名人芸のところですね。改訂版もすごく難しそうではありませんか?もっと難しかったということでしょう?

初めて聴いた時に感じた印象は、バイオリンは高音域をよく使うのに対し、オーケストラは低音側に寄っていて、中音域が抜けているなぁ、というものでした。

例えば第三楽章の冒頭を聴いてみてください(試聴機で後ろから二番目のマーカー)。バイオリンもそう高い音ではないですが(だんだん高くなる)、オケの低さと言ったらまるで地を這うかのようです。冒頭しばらくしてメロディーを弦楽器群が演奏するところですが、低すぎるのでは?と思いました。
でもそれで、オーケストラとバイオリンがはっきりと別々に聞き分けることができるように思います。はじめはこの独奏楽器とオケの「かい離感」が気になったのですが、繰り返し聞いているうちに「これは相当作為的だ」と思うようになりました。曲全体はエネルギッシュで聴き手を鼓舞するものですが、何か「孤独感」といいますか、一人ぽつねんとしている作曲者の姿が浮かんでくるのです。いや、ひとり雄々しく立っている姿でしょうか。

そんな中でも第二楽章は美しいですね。穏やかな気持ちになります。全体が変化に富んでいるので、どうとも言えないのですが、この比較的印象の薄い第二楽章を中心として個性的な第一、第三楽章が配置されているように聴こえます。

順番が逆になりましたが、第一楽章では冒頭、高域のソロ・バイオリンが息の長いメロディーを弾きます。非常に美しく、またドラマチックな楽章です。静的な場面と動的な場面の配置の妙で、試聴機では伝わりにくいと思いますが聞きあきることがありません。

なんだか暗いイメージを多く述べてしまいましたが、この曲についてはチャイコフスキーの「悲愴」のように鬱病の人は聞かないように、といった注意は必要ないと思います。あくまでも北欧から私がイメージする雰囲気とピッタリ、という意味であって、屈指のバイオリン協奏曲の一つです。結構音量を上げると楽しめると思います。

 

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2枚組でこの値段。ソリストはフェラス。評価は高いです。が自ら死を選びました。

収録曲は盛りだくさんで高評価の内容です。

指揮はオッコ・カム。オケはベルリンフィルです。

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