プロコフィエフが築いた輝かしい金字塔。プロコフィエフ:交響曲第5番

RÜŞTÜ BOZKUŞによるPixabayからの画像
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続いてまたもや第5番です。そこそこ長さのある曲ですが最後まで飽きさせず聴衆を引き込んで一気に聴かせます。

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暖かな日の出を思わせる第一楽章の出だし。そして最後にはあたりはすっかりと太陽に照らされて明るく輝きます。書くまであまり意識したことはなかったですが、陽の光を感じさせるテーマと快く弾むようなテーマがそれぞれ奏され、また混じり合ってあたりの雰囲気を作る中、鳥の声のようなフレーズが様々に表れていて、ベートーヴェンの「田園」を思わせるような描写音楽とも受け取れる気がします。動物も吠えているようではないでしょうか。

第2楽章は一転、ぽつぽつと降り始めた雨の中を駆け出す人々のようです。ユーモアに富んだ曲想で楽しませてくれますが、徐々に盛り上がった最後には不協和音の連続がクレッシェンドしていき、突然スパッと切ったように終わってしまいます。何か悲劇的な余韻を残します。

第3楽章は一番重たい雰囲気です。聞こえるのは三拍子ですがワルツとは言えません。ゆったりとしたテンポが続きますが、木管楽器で奏される第一主題はむしろ明るさをイメージさせます。中間部分では突然曲調が盛り上がり、鋭く重たい拍子になります。最後は再び力を失うかのようにゆっくり、また静かに終わります。

第4楽章は、風変わりなメロディーのあとすぐに第一楽章の冒頭の主題が顔を出します。そしてテンポが突然少し早くなり、主要部分に入ります。大変明るく活気に満ちた部分です。巧みな主題さばきによって曲はいよいよ盛り上がっていきます。終結部では機械時計が刻むような音の中、全楽器の総動員となります。ところが突然に音が小さくなって、「あれ?終わりじゃないのかな?」と思ったとたんに短いクレッシェンドで唐突に曲は終わります。
このあたりにプロコフィエフの茶目っ気を感じます。ピアノ・ソナタの第8番の終結部も「あれ?また繰り返しかな?」と思ったとたんに終わりますが、彼の人柄がよく出ているように感じます。

ロジェストベンスキーがモスクワ放送交響楽団を振ったLPを持っていましたがこれはまさしく名盤でした。
CDで復活しないかなと思っていたのですが・・・。とき既に遅し。廃盤のようです。

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