「運命」のタイトルで知られていますが、彼の命名ではありません。冒頭の「ダダダダーン」という音の意味について「このように運命は扉をたたく」と説明したことからきているようです。真偽は定かではありませんが、それにしてもベートーヴェンはこの「タタタターン」のリズムが好きなようで、この交響曲では最終楽章を除いてほとんど一貫して用いられています。ピアノソナタでも例えば「熱情」に繰り返し出てきます。
知っているようでよく聴き込んだことのない曲といえるかもしれません。全編にちりばめられたお得意のリズム、暗いようでいて明るく、明るいようでいて重く、冒頭が一番有名ですが、第一楽章だけとってみても構成のよく練られた作りで、急に予想を裏切る流れになったり先の読めない面白みがあります。第四楽章で勝利の賛歌に到達するまでの構成も見事ですが、肩ひじ張って聴かずとも本当に元気をもらえる作品です。
第四楽章の最後ですが、終わりそうで終わらない、一度終わったと見せて続きがあり、本当の終結部でも「ちょっとくどくありませんか?」と考えながら聴いていると思わず吹いてしまうほど。
あまりに有名だからこそ、じっくりと聞きこんでみたい交響曲です。
第7番とともに収録しているものを優先しました。
第7番は好き嫌いが分かれるようですが名曲ですね。楽譜を見たときに「なんてシンプル!」と思いました。その後のオーケストレーションが複雑化しすぎているのでしょうね。簡潔であっても強い印象は与えることができるのだとわかりました。
泣く子も黙るチェリは、第4番とのカップリング。
ベートーヴェン:交響曲第5番<運命> [ ヴィルヘルム・フルトヴェングラー ] 巨匠の演奏をぜひ。 |
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