今回は、紹介するCDは一枚になります。
「ガイーヌ」はご存知ハチャトゥリアンのバレエ音楽で、「スパルタカス」と並んで有名です。今回のCDはこの「ガイーヌ」と「スパルタカス」の組曲集と銘打たれていますが、実際は全曲版からのいいとこどりなのでお勧めしたいと思います。
レズギンカ(少々テンポが速く主旋律が聴き取りにくいですが、太鼓が面白いので)
今「ガイーヌ」が有名と書きましたが、その中で「剣の舞」はほとんどの方が聴いたことがある超有名曲ですが、それ以外は「レズギンカ」くらいしか演奏される機会がほとんどありません。ほかにも魅力的な曲があるのですが・・・。
生前のハチャトゥリアンも、「剣の舞」があまりにも有名になってしまったので些か不満であったようです。この曲は開演一日前に必要となり急遽作られました。伝記映画の中では、まずふさわしいリズムを決めてそれを指で机をたたきながら、旋律を探っている作曲者の姿が映されています(もちろん再現映像でしょうが)。そんな風に即席に作った曲が代表曲のようになるのは面白いはずはありません。しかし、この曲がなければハチャトゥリアンの認知度もかなり低いままだったはずです。特に国外において。
バレエの内容は比較的単純なもので、旧ソビエト連邦が舞台で、体制側の視点からつくられた予定調和的なハッピーエンドの作品です。
「ガイーヌ」には組曲がいくつかありますが、実際に組曲として録音されているものはハチャトゥリアンのまとめた組曲とは内容が違うとのことです。
「剣の舞」もそうですが、「レズギンカ」、「アダージョ」が含まれているところがミソです。「アダージョ」は癒し系の曲で弦楽器による非常に静かで心を落ち着かせるものです。一方、「レズギンカ」は「剣の舞」とともに軽快な舞曲となっています。大変熱狂的で、この曲が終曲なのかと思わせるような力強さと迫力に満ちています。これらの舞曲を聴けばやる気スイッチが確実にオンになるでしょう。
収録されている「スパルタカス」も同様に力強い舞曲が含まれていますので推薦します。
前述のとおり、このCDも御多分にもれず、やはり独自に「組曲」が構成されているものですが、大変良い選択がされているのが特徴で、エフゲニー・スヴェトラーノフがボリショイ劇場管弦楽団を指揮しているものです。
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