打楽器独奏曲の一押し。テンション・アップ、集中力アップにも。クセナキス:「サッファ」

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集中力が途切れがち、ついぼんやりしてしまう、といったときに注意深く聴くと思考が鋭敏に研ぎ澄まされていく、そんな曲をご紹介します。全体に音で埋め尽くされながらも、中間部は日本の「間(ま)」を感じさせる作品です。打楽器独奏曲の名曲中の名曲です。

時代とともに変遷してきたいわゆる西洋音楽同様、打楽器音楽とて「ひとくくり」にすることはできません。紹介いたしますクセナキスの楽曲はあくまでもクセナキスなのです。楽譜はこんな感じです。

そして鳴っている音はこんな感じ。

彼女の演奏は演出的な面もありますが、「間」の取り方と集中力に気迫が感じられます。終結も見事。

お手本的な演奏はこちら。どのように演奏しているかもよく見えます。

西洋音楽で、打楽器のみによる楽曲はどれが最初か?という話がよく取り沙汰されますが、諸外国では、日本の和太鼓やバリ島のガムラン、そしてアフリカでは古くからそうした音楽が演奏されてきました。ですからそうした談議にあまり意味があるとは思えないのですが、確かに西欧では「音程」というものに比重が置かれてきたように思います。厳密に言えば、西洋というよりも中近東に端を発する(言い換えれば人類発祥、言語ルーツ)崇拝儀式には「歌」が付き物だったからと言えるような気がします。日本にも古くから「詠」がありますし、アフリカでも打楽器にのせて歌ったり、調律の必要なものもあります。私は専門家ではありませんから想像ですが、打楽器の構造が簡単だから楽器のルーツに違いない、というのは些か短絡的に過ぎるのではないかと思っています。

ぐだぐだと長くなりましたが、打楽器のみによる音楽だからと言って特別視することはないと言いたかったのです。

「サッファ」はどちらかと言えばクセナキス前中期の作品でしょう。導入部はハッキリとした一定のビートを刻みながら進行します。が、すぐにビートの間を様々な打楽器が埋めていきます。間を取ったりアクセントでリズムパターンを生み出したりしながら、全体としては一定のテンポを保ちながら進行するのですが、次第に間が多くなってきます。そうなると演奏者の頭の中で刻まれているはずの拍を聴き取ることができなくなってきます。後半部では長い沈黙の中に時たま打楽器の音が強奏される状態になります。音で埋め尽くされるクセナキスの楽曲のなかでは少数派ではないでしょうか。

様々な楽器がロールされると終結部に入ります。再び一定のビートがキックドラムで刻まれて、中・高音域では速い激しい連打が続き、突如バスドラムの最後の一撃が打ち込まれます。

なかなか文章でその迫力を伝えるのは難しいのですが、東洋的な「間」を西欧の「テンポの刻み」で表現し、双方を生かしたともいえる名曲だと思います。

 

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こちらは打楽器を中心とした曲の全集となります。三枚組です。当初5.1chで出ると言われていたのですが残念ながら2chです。

 


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