この曲を彼の最高傑作とする人も多いようです。
長い第一楽章、速い第2楽章、牧歌的かつエネルギッシュな第3楽章、ゆったり厳かに始まってすぐ軽快なリズムで楽しい第四楽章。構成が大変良く練られていて感動を呼ぶ作品です。
マーラーの影響が聴き取れるとのこと。確かにショスタコーヴィチはマーラーを尊敬していましたから。特に第一楽章、第3楽章にその響きが感じられます。
短い第2楽章はスターリンの肖像とも言われ、猛烈な疾走感があります。まるでローラーコースター。
第3楽章の最後(だけではなく:訂正)には、自分自身の名前の綴りから取った「レ・ミ♭・ド・シ」のテーマがしつこいくらいならされます。最後にもぽつりとつぶやくように聴かれるのですが、終楽章では輪をかけてシツコイくらいに連呼され、まさにタカトシのタカの「俺だ俺だ俺だ!」状態。ちょっと笑えます。
全体的に見て、至って真っ当な交響曲ですが熟練の境地に入っています。第5番のように、作曲時の背景が取り沙汰されることもあまりなく、純粋に(?)愉しめるところが良いのかもしれません。
ショスタコーヴィチはこの後、映画音楽的(標題音楽)な方向に進んだり、歌を伴う交響曲を書いたりするわけで、実際に映画音楽も書きましたが、第10番は純粋な交響曲として1つのマイルストーンになったのかも知れません。
第10を聴かずしてショスタコ・ファンを名乗るべからず、といったところでしょうか。
演奏は圧倒的にムラヴィンスキーを推しますが、好き好きもあるでしょうね。
【SACDハイブリッド】 Beethoven: Symphony No.4; Shostakovich: Symphony No.10 エフゲニー・ムラヴィンスキー 、 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 ¥2,536
プラハでのライブです。とすると私の持っているセットのリマスター盤?しかしベートーベンは入っていませんでした。しかしなんということか!現時点で新品で入手可能なのはムラヴィンスキーではこれぐらいのようです。あとは中古か街のCDショップで探す感じでしょうか?
意外にも(じゃあ何で持っているのか?)良い取り合わせ。今、カラヤンがベルリンフィルとモスクワのコンセルバトワール大ホールで収録したライブを聞きながら書いています。どっしりと地に足の着いた演奏で、これぞまさに交響曲。帝王カラヤンにふさわしいと改めて見直しました。録音は違うものだと思いますが。
それにしても廃盤、廃盤、廃盤・・・。確かにこの時代余剰在庫を持ちたくない気持ちはわかりますが、せめて安価な受注生産とかできないのでしょうか。mp3で満足していてよいのか?ハイレゾなら何かが変わるのか?
上掲のものです。やや安いですね。
またもやカラヤン。しかも激安!面白い組み合わせですがストラヴィンスキーは新古典主義時代の曲で安心して(?)聴けます。
躍進目覚ましいゲルギェフの全集から。エネルギッシュな演奏で素直に入れます。実はデジタル音源しかもっておらず音質は不満です。ちなみにSACDってそれだけ払う価値のあるものですか?誰か教えてください。これはハイブリッドなのでCDプレーヤーで聴けます。オーディオマニアの方はハイレゾ音源のことをどう見ておられるのでしょう?LPが復活しているこの時代、まったく先が読めません。
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番/ストラヴィンスキー:交響曲ハ調 [ ヘルベルト・フォン・カラヤン ] |
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 [ ヘルベルト・フォン・カラヤン ] |
期せずしてカラヤンオンパレードになってしまいました。
スヴェトラーノフとかインバルとか探せばまだあるのですが…。中古でも構わないという方もおられるでしょうし。
ショップのバナーがお店の入り口になっていますので、そちらからご入場くださるとありがたいです。
ちなみにロシアでのカラヤンのコンサートは熱狂的な歓呼をもって受け入れられました。ライブからそれが伝わってきます。バッハのブランデンブルクコンチェルト第一番とのカップリングです。買っておいてよかった。よくぞ買った、自分。
実は今月、第10番を引っ提げてロジェストベンスキーが読響を振りに来ます。行きます。チケット手に入れました。ハイになってます。御年85歳。お互い体調に気を付けましょう。あ、皆さんもね。
「番外編・コンサート報告:読響 第562回定期。ロジェストヴェンスキー:オール・ショスタコーヴィチ プログラム」に交響曲第10番の解説を加えました。