フェデリコ・モンポウはスペインの作曲家で、日本ではメジャーとはいいがたいですが国民からは大変尊敬されています。いくつものピアノ曲集があり、「ひそやかな音楽」などが有名です。それとともにこの「歌と踊り」も代表作といえるでしょう。ピアノのために13曲が作曲されています。
どの曲も短く、「歌」と「踊り」のセットになっています。民謡などが用いられることもありますが、ピアノの音色を駆使した非常に美しい曲になっています。
小節線が描かれていなかったり、調号がついておらず、個々の音符についているなど変わった記譜法が用いられていることが多いですが、調性感はあり、リズムも決して曖昧なものではありません。
それでも、モンポウならではの音世界があります。それは素直に耳に入ってきて心にまで達するので、何か落ち着かないときでも、優しい気持ちや穏やかな気持ちをすぐに取り戻すことができます。
「ショパンの主題による変奏曲」もあり、いずれそちらも紹介したいと思います。ショパンの音楽も繊細ですが、モンポウは輪をかけて繊細で、「ひそやかな音楽(直訳では『沈黙の音楽』)」では、あまりに繊細で触れると壊れてしまいそうなガラス細工のようです。
ちなみに彼自身大変繊細だったため、ピアニストの道を断念し作曲に集中したのだそうです。
モンポウは自作のピアノ曲の演奏を録音しているのですが、自身の意図を表現しているわけですから、素晴らしい全集となっています(当然ながらレコーディング後に作曲された曲は含まれていない)。
また、アリシア・デ・ラローチャの演奏も素晴らしいものです。
演奏に際しては「難曲」といえるものはありません。ですがモンポウの世界を再現するには注意深い準備と考察が必要になると思われます。
ショパンのように華々しい曲はありませんが、一人静かに物思いにふけるのには最高の音楽となるでしょう。
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作曲者自身の演奏による全集です。「歌と踊り」は12曲入っています。4枚組。
「歌と踊り」に加えて「前奏曲集」収録。ナクソスのようです。
上掲の全集です。少し高いですが、こちらのほうが在庫はありそうな感じです。
こちらも曲内容は同様ですが、ジャケットを見る限りではタワレコとは別録のように思われます。
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