デュカスといえばなんといっても「魔法使いの弟子」が有名です。ディズニーのアニメでも使われていますね。現在はディズニーランドの「フィルハーマジック」でも使用されています。彼の作品としては他にも「ラ・ペリ」、特にファンファーレがよく知られています。
「魔法使いの弟子」は作曲法の教科書のようだといわれるほど、音楽とプログラムとの一致、管弦楽法の精緻さ、けちの付け所のない完璧な作品といってよいでしょう。
彼はあまりにも完璧主義者だったようで、ある時など友人が戯れに彼の出来立ての作品を批判したところ、怒り狂って、燃える暖炉にスコアを投げ入れようとしたので、友人たちがなんとかそれを押しとどめたという逸話があります。
彼が残した交響曲を聴いても、きっと何度も推敲したんだろうなぁと感じます。
曲は三つの楽章からなっています。
第一楽章、「いかにも」という彼らしい流麗な導入部から始まります。明るい中に端正な、また真摯に音楽に向かう彼の姿が目に浮かびます。主題の展開も見事です。一段落するとテンポを少し落として美しいメロディーが流れます。再びテンポが速くなり元気なトロンボーンのファンファーレ風の響きの後も、様々なリズム、旋律が繰り広げられます。第一主題、第二主題のコンビネーションで聴き手を飽きさせず、ぐっと引き寄せるものがあります。終結部では再び主題を駆使しつつ、古典的に曲を結びます。
第2楽章はこちらも真面目ながら、硬くなりすぎないのが彼の良いところかもしれません。映画音楽にもなりそうなやや物憂げなメロディー、そして再び古典的でありながら近代味を加えた流れが曲をしっかりと締めています。いつ果てるとも知らない美しい旋律は打ち寄せる波のようにスケールを変化させ、最後はすうっと消えるように終わります。
第3楽章は再び元気いっぱい。こちらには一楽章に比べますと楽しい雰囲気が一層加えられているように思います。いくらかのテンポの揺れが心地よく響きます。中間部では金管楽器に美しい主題が渡され、木管と弦楽器のやり取りのあと、再度金管が輝かしい響きを醸します。この楽章で聴かれるメロディーはデュカスならではのものだと感じられます。もったいつけることもなく、一切の無駄を省いたかのように一つの盛り上がりを見せて曲は終わります。
三楽章構成でありながら、様式感、時代性、そして何よりもフランス音楽を堪能できる一曲です。
デュカスがあまりにも完璧主義者なものですから、残した作品は多いとは言えません。彼の友人たちに言わせると、破棄された曲も大変すばらしいものだったそうですから、もったいない話ではありますよね。
THE ESSENTIAL DUKAS:FANFARE POUR LA PERI/BALLET &LA PERI&/ETC:YAN-PASCAL TORTELIER(cond)/ULSTER ORCHESTRA/ETC アルスター管弦楽団 、 ヤン・パスカル・トルトゥリエ ¥2,294
耳なじみが薄いかもしれませんが、この曲ではトルトゥリエはBBCフィルハーモニックを振っているはずです。違ったらすみません。この演奏は名演だと思います。少々ごった煮のような二枚組ですが。
あとはマルティノンでいってみましょう!
フランス音楽といえばマルティノン。フランス国立管弦楽団の演奏です。一枚もの。
こちらは14枚組。オケは同じくフランス国立管弦楽団です。フランス音楽がたっぷりです。
タワレコの一枚ものと同一です。値段も一緒ですがAmazonは送料が無料ですね。
Leave a Reply