以前より日本語版では「不滅」の名で知られてきた交響曲です。原題は「消し難きもの」「消し去り難いもの」という意味で、厳密にいえば「不滅」ではありません。最近のCDでは原題に近い訳が用いられることもあります。
「不滅」と言えば「消すことのできないもの」になってしまいますが、「消すことの難しいもの」というニュアンスが近いと思います。それは人間の持っている「信念」とか「信条」、または「意志」のようなものではないかと思うのですが、どうでしょうか?
第一次世界大戦中に書かれたものですが、「個」が「マス」に飲み込まれていく時代にあって、失いたくない、失ってはならない、死以外の何物によっても消し去ることのできない強固な意志を感じさせる音楽です。
はて?「疲れを吹き飛ばそう!」というからにはリラックス系の音楽がお勧めではと思われたかもしれません。この曲の中にはそのような部分も含まれています。が、それ以上に「よし!やるぞ!」という気持ちになる、闘志の湧いてくる音楽なのです。これが諦めや小さな悩みを吹き飛ばしてくれます。
冒頭~
曲は切れ目なく演奏される単一楽章形式ですが、普通の交響曲に照らして大まかな部分に分けることができます。
導入部からいきなり戦いに入っていて幾らか不穏な様相を呈しています。が、曲調は暗く沈んだものでは全くありません。覇気に満ちています。
舞曲風の部分はちょうど川下りをしていたら、川辺の村で村人が踊っているのが見えた、といった風情。心和む旋律が心地よいです。
突然、弦楽器が速いパッセージを弾き始め折り重なり盛り上がったところで一瞬の間があり、曲は最後の部分に突き進んでいきます。ニールセンの旋律は、全曲を通して速く、またゆっくりと繰り返し演奏されるものもありますから旋律に間違いはないのですが、「歌」というよりも気の流れを示すような、暗示的なものに思えます。
そして一つの山場と言える二人のティンパニ奏者による掛け合いが始まります。それは雷鳴のようでもあり、怒号のようでもあり、最後の戦いのようでもあります。
そしてついに平和的な旋律が全オーケストラで奏され、勝利が高らかに「歌」われます。そう、最後の部分にははっきりとした「歌」があります。生き続ける限り守るべきものを守り、皆が勝利の歌声を上げるのです。
きっと聴き終わるころには萎えた心をしっかりと立て直すことができるでしょう。
さて推薦盤のご紹介ですが、後程追記いたしますので今しばらくお待ちください。
推薦盤(追記:2016/07/14)
実のところきちんと聴いたのはブロムシュテットのみです。N響との共演も聞きました。
いずれもデジタル媒体でしたが、味わいのある演奏です。1~4まで入ってお値段も安くお勧めです。
(2,729円)
気合の入った交響曲全集。北欧と言えばヤルヴィ。販売ページでも熱く語っています。
(3,121円/セール2,559円)
パパはどうかな?聞き比べも興味深いかも。
(1,296円)
ニールセンとグリーグとシベリウスの三つのアルバムのセットです。録音もよさそうです。
(2,797円/セール2,294円)
以下、Yahoo! ショッピングからです。
上掲のものです。
上掲のものです。
こちらは枚数を考えるとお安くなっています。三枚組。
ドゥダメルがエーテボリ交響楽団との初CDとしてリリースしたものです。
シベリウスやブルックナーも気になるところです。
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