日本の夏の湿度は高すぎる。特に近年そう思いませんか?それとも、エアコンに慣れてしまったので余計に蒸し暑く感じるのでしょうか?このオネゲルの素敵な小品は「夏」とはいえ、うだるような暑さではなく、むしろさわやかな風を感じさせるものです。六月半ばに入って先ほど雷と小雨が降りましたが、日暮れ時の風はたいそう涼しく子供の頃の夏を思い出します。そんな「夏」の一場面が描かれているように思えます。草原に寝転んで空を行く雲を眺めているような。Wikiで調べたら朝の情景だそうですけど。
オネゲルの曲は「パシフィック231」のように明確なイメージを持ってきっちりと書かれているものが多いと思います。交響曲も含めて。それで、この曲のように「なんとなく的な雰囲気」を彷彿とさせる曲は珍しい部類に入るのではないかと思います。とはいえ書法的にはドビュッシーのように「もわもわ」としてはおらず、明確なリズムをきっちりと刻んでいます。
「夏は好きですか?もちろん嫌いですよね?」
いや、子供の頃は夏が一番好きでした。でもこんなに暑くなかったと思います。やはり地球温暖化の影響なのでしょうか?カナダの氷河もだいぶんと形を変えました。日本で過ごしやすいのは春から夏にかけてと、夏から秋にかけてでしょうか?それとも秋から冬?暦と体感季節がだんだんずれてきているように思うのは私だけでしょうか?うろ覚えですが、沖縄には太陰太陽暦というのがあって、それが季節の事象にぴったり毎年当てはまるのだそうです。一度暦も見直した方が良いかもしれませんね。
そういえばオネゲルはフランスの作曲家ですが両親はスイス人ですからね。この曲もスイスで書いたようです。
「夏の牧歌」は緩-急-緩の構成になっています。急の部分で少し暑さを感じる程度でしょうか。今、涼しいからかもしれませんが緩の部分は本当にさわやかです。曲が8分前後と短いのですが、リラックス系の心地よい曲です。冒頭のホルンのメロディーや木管楽器の鳥の声(?)や弦楽器の陽の光の揺らぎ(?)が何とも言えません。ちなみに、(?)のところは私の勝手な憶測です。オネゲルは結構そういったことをきっちり意識して作曲していた節があるので、まったくの見当違いかも。
デュカス:交響曲 ハ長調 オネゲル:夏の牧歌 他 [UHQCD] ジャン・マルティノン ¥1,728
何を隠そう試聴機の音源はこれでしょう。マルティノンの緻密なサウンドが心にしみます。「夏の牧歌」がおまけのようになっているのがちょっと癪ですが、デュカスの交響曲もよいので良しとしましょう。デュカスの交響曲の紹介の際に筆頭に挙げたものの新盤です。決定版といってもよいでしょう。というのも・・・
実は上記の前の盤です。こちらはCD。以前紹介したものですね。上記も普通のCDプレーヤーで聴けますが、音質は多少は違うのでしょう。良い演奏は繰り返し供給されますね。選択としては700円の差を高いと見るか低いと感じるかで変わってきますね。ただ送料のことを考えると、一枚買いの場合それほど値段に差がなくなってしまいます。
パシフィック231でもご紹介したフルネです。さすがです。冒頭のホルンのメロディーに癒されます。オネゲル入門盤にしてこちらも決定版。
初出時以来の復刻版で、DECCAによる優秀録音なのだそうです。それでオーディオマニアにもかなり話題になったものだとか。オネゲルを余すところなく楽しめると思います。
こちらもレスピーギのおまけのようですが、バーンスタインがレスピーギを録音したのはこの盤だけだそうで、オネゲルの小品集もこれだけのようですから、少なくともそういった観点からは貴重な盤といえるでしょう。「ローマの松」で紹介しましたね。悪かろうはずはありません。
Hi Quality CD デュカス:交響曲、オネゲル:夏の牧歌 ジャン・マルティノン&フランス国立放送管弦楽団 ¥1,590
Pini Di Roma, Feste Romane: Bernstein / Nyp +honegger: Pacific 231, Rugby, Pastorale D’ete ¥1,183
こちらはタワーで紹介したバーンスタイン盤です。
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