演奏は十分難しい!バーバー:ヴァイオリン協奏曲

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多くの人がバーバーと聞くと、まず思い出すのは「弦楽のためのアダージョ」ではないでしょうか?
非常にロマンティックな曲です。弦楽四重奏曲の緩徐楽章だった部分を抜き出して弦楽合奏に作曲者自身がアレンジしたものです。

それで、そのイメージでバーバーの曲を適当に選んで聞くとかなり「現代音楽」なので、戸惑われる人も多いかもしれません。弦楽四重奏曲も他の楽章は結構切っ先の鋭い音楽です。

しかし、このヴァイオリン協奏曲は「後期ロマン派の人が書いた曲?」と思ってしまうほどにクラシックでロマンティックです。私の印象を述べると、場所はニューヨーク市で「第一楽章:日没近くのオレンジに染まった街」「第2楽章:夜」「第3楽章:朝のあわただしい人の流れ」といったところでしょうか。作曲家の意図は街から遠く離れた所を念頭に置いていたらしいのですが。

   ヘッドフォンヘッドフォンハーンとスターン。

作曲に際して逸話が残っています。
この曲はあるヴァイオリニストからの委嘱で書かれました。しかし、第1楽章、第2楽章までできたところで演奏家に楽譜を見せたところ彼は大変不満の意を表します。彼が望んでいたのは自分のハイレベルな技巧をいかんなく発揮する(ひけらかす?)協奏曲だったからです。つまり「易し過ぎる」というクレームがついたのです。そしてバーバーが第3楽章を完成させ見せたところ、今度は「演奏不可能」とクレームを出したのです。

私が思うに、「易し過ぎる」と苦情を言われた作曲家が「じゃあ、これならどうだ?」と思いっきり難しい曲を書いたのではないかと思います。意地ですかね。

話を戻しますと、当然の帰結として「金返せ」、ということになるのですが、バーバーは曲を書くための取材旅行(大自然の中でしょう)にお金を使ってしまっていたので返せないと言ったようですが、というより返さなかったのでしょうね。そんなに貧乏だったとは思えないので。

そこでどうしたか?音大生に練習をさせてピアノ伴奏版でヴァイオリニストの眼前で演奏させたのです。

これではヴァイオリニストの面目まる潰れですから、やれ「不可能というのは音楽として成立させること」とか「精神的な意味」とか、英文なのでよくわかりませんが、自己弁護に必死だったらしいのです。

では、実際にこのコンチェルトは難しいのか?
めちゃくちゃ難しいです。ヴァイオリニストが易し過ぎると言った第1楽章ですら相当な困難箇所があります。おそらくプロにとっては第2楽章までは弾けて当然なのかもしれませんが。

アイザック・スターンとヒラリー・ハーンの演奏を比べてみると、第1、第2楽章は抒情性でスターン、第3楽章は若さあふれるハイテンポな演奏でハーンが良いと思いました。かなり年月も経ちましたのでハーンの再録音も期待したいところです。


Barber, Meyer: Violin Concertos / Hahn, Wolff, Saint Paul CO ヒュー ・ウルフ 、 セントポール室内管弦楽団 ¥1,674
私の持っているCDがこちらになります。絶賛。
メイヤーの曲はややミニマルミュージックを想起させますが、なぜか最後中華風に終わります。
残念ながらオンラインショップ取り扱いなしになっています。

Hilary Hahn – The Complete Sony Recordings<完全生産限定盤> ヒラリー・ハーン
なんと!上記CDを含む五枚組でなおかつ安い。バッハのパルティータとかベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス・ショスタコーヴィチ等のコンチェルトも含まれていて、これは買いです!在庫僅か!(2,990円/セール2,541円)

The American Album – Bernstein, Barber, Foss イツァーク・パールマン 、 小澤征爾 、 ボストン交響楽団
大御所の演奏を聞いてみたい向きに。未聴ですが評価は高いです。 (1,825円/セール1,496円)
こちらは残念ながらオンラインショップ取り扱いなしになりました。

アイザック・スターン LIVE 第9集
スターンのCDは上記のセットに含まれていますが、コンドラシンと組んだもので私は初めて見ました。ありませんでした。主に1980年頃の録音で2枚組にしては高価ですが、シベリウスやブルッフ、プロコフィエフの協奏曲が含まれているのが興味深いです。


Barber バーバー / ヴァイオリン協奏曲、弦楽のためのアダージョ、他 スターン、バーンスタイン、オーマンディ
スターンありました!指揮はバーンスタイン。演奏者は異なりますが、バーバーの魅力的な作品、ピアノ協奏曲と弦楽のためのアダージョも入っています。

以下送料無料です。

【輸入盤】ヴァイオリン協奏曲、弦楽のためのアダージョ、他 スターン、バーンスタイン、オーマンディ、他
それにしてもなんでこのCDはこんなに安いのでしょうね?上記と同じものです。(822円)
残念ながらこちらも現在入手不可のようです。

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