20世紀最後の傑作?!クセナキス:「Nomos Gamma (ノモス・ガンマ)」

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現代音楽はお好みに合うでしょうか?
元々のドメイン名はこの曲からとったものでした。クセナキスのオーケストラ曲です。
一口に現代音楽と言ってもすごく幅が広いものなのですが、宇宙の創生、ジャングルの大嵐、森羅万象・・・数学を基盤にして作られたこの曲は大音量でかつ集中して聞くことを要求します。

(追記 ’16/8/15)

インプレッションばかりで、曲の内容について記述していませんでしたのでここで追記します。
初演音源(極力音量を上げて)。

曲は大まかに5つほどのセクションに分けることができます。最初は主に木管楽器と打楽器、続いて主に金管楽器と打楽器、ここまででは打楽器(ほとんどがタムタム)の絶え間ない響きが移動する中を、主要な楽器の響きが縦横無尽に飛び交います。そして第2セクションの部分の最後では、金管楽器を中心とした音による滝が聴こえます。そして不安定な音の揺らぎでいったん穏やかに終結します。

第3の部分では、管楽器を中心として直線的な音が流れます。音量は徐々に大きいくなっていくのですが、音程が一定しているため、動きが停滞したような印象を受けます。弦楽器が時々停滞をかき乱します。

そして突然第4のセクションが始まります。特に弦楽器が活躍する部分ですが、ここからは全ての楽器が自由自在な動きを始めます。まるで嵐の中にいるかのようです。時折挿入される打楽器の強奏が全体をまとめています。ここで聴かれるリズムの一部は、最後のセクションでも出てきます。

再び突然の打楽器群のドラムロールのみが奏され、曲は最終第5セクションへ突入します。主役は打楽器と言って良いでしょう。ロールしながら各打楽器奏者がアクセントをつけますが、スポーツ観戦でよく見られるウェーブのように。次から次へと隣の奏者に受け継がれていくので、聴衆の周囲を高速で回転しているように聞こえます。ステージバージョンでは左右に流れていきます。回転方向は随時逆転します。

他の楽器はロングトーンを響かせていますが、ほとんどが緩い下降線を描きます。
打楽器は単純に回転するだけでなく、リズムのパターンを作り出します。第4セクションで出てきたパターンも聞かれます。
最後は全楽器が強奏する外側で、打楽器奏者は全ての楽器(複数台のタムタム)をロールするように指示されており(実際は不可能なので、物凄いスピードでランダムに叩く)、大音響の中、曲は終わります。

(追記ここまで)

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高校生のとき、上野で井上道義氏の指揮で聞いて以来、すっかりファンになってしまいました。
その晩のコンサートでは一番古い曲でもラヴェルのピアノ協奏曲で、シェーンベルク「五つの小品」、リゲティ「アトモスフェール」と、当時好きだった曲のオンパレードでした。

ただ、クセナキスだけは知りませんでした。予習をしてみると何やら楽団員が聴衆に入り混じって演奏するとか。非常にドキドキしたのを覚えていますが、残念ながら演奏されたのはステージバージョンでした。

それでもクセナキスはすごかった。いつまでもこの音の嵐の中に浸っていたいと願ったものでした。わずか15分程の曲ですが、聴衆の反応もものすごく、いつまでたっても喝采が鳴りやまない。と言ってアンコール演奏ができるわけではない。というのは物凄く変則的な編成だからなんです。

理想は、オーケストラは円形に配置され、8人の打楽器奏者が円の縁を取り巻く。そして、聴衆が思い思いの場所で聞くのが本来の形式。それを半円形にしてステージに乗せているわけです。フルートの隣がチェロ、みたいなあり得ない配置です。

そんなわけで、拍手は鳴りやまないものの演奏できる曲がほかになく(今考えれば最後の部分だけでもいいから演奏してほしかった)、井上氏は指揮棒を折り、楽団員全員が、「起立、礼!」をしてコンサートは終了したのでした。

必死にレコードやCDを探して聞きましたが、どんなに音量を上げても生演奏の迫力にはかないませんね。
それでも一度ぜひ聞いてみてもらいたいです。5.1Ch以上のメディアがリリースされたならすぐにでも手に入れたいです。


【CD】 Xenakis: Polytope, Nomos Gamma, Syrmos, etc Various Artists ¥2,026
こちらは初演音源が収録されており、現在入手できるベストの演奏だと思います。


【CD】 Xenakis: Orchestral Works – Metastaseis A, Terretektorh, Nomos Gamma アルトゥーロ・タマヨ 、 RAI国立交響楽団 、 ハーグ・レジデンティ管弦楽団 ¥2,028
ついに新録が登場しました。確かに音質は良いのですが、迫力・バランス、特に最終部分の疾走感が足りません。間もなくBlu-ray盤が出るとのことなので、音場の豊かさに期待しています。同時収録の「テルレテクトール」はこちらの方が良い演奏だと私は思います。

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One Comment

  1. B24X

    「20世紀最後の傑作?!クセナキス:Nomos Gamma (ノモス・ガンマ)」に関する楽曲の説明が不足しておりましたので、追記いたしました。

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