落ち着きたいとき、精神統一、集中力強化のために事前に聴く、などの活用法が考えられます。
パッサカリアは低音部に主題が延々と(永遠と、ではありませんぞ)演奏され、その土台の上に装飾的なメロディーが変容していく一種の変奏曲です。
ヨハン・セバスチャン・バッハ(いちばん有名な大バッハです)の作品では「トッカータとフーガ」とか「小フーガ」として親しまれている曲が有名ですが、今回紹介するのはポピュラリティでは一歩譲るものの、質の面では勝るとも劣らない傑作です。フーガはご案内の通り、やはり変奏曲の一種といえますが、一つの主題が調性・音程を変えながら追いかけっこをしていくイメージの形式です。
「パッサカリアとフーガ」では、一つの同じ主題に基づいて、二つの形式の変奏曲が紡ぎだされます。特にフーガはたいへん複雑な操作が行われていて、一つの単純な主題からどうしてこのように豊饒な音楽が生み出されるのか、バロック時代の作曲法など微塵も知らない身にとっては(たとえ知っていたとしても)驚異以外の何物でもありません。パッサカリアにしても、同じベース音が繰り返されているのに、なぜ調性感(コードですね)が違和感なく変化していくのか、本当に不思議です。
二つの部分は続けて演奏されます。「トッカータとフーガ」のように、各部の切れ目ははっきりとわかりますが、音が一瞬途切れるというのではなく、一つのクライマックスを経て再び小音量でフーガが始まります。主題と同時に、最初から副旋律が聞こえているのが変わっているといえば変わっています。音はどんどん混とんとしてくるのですが、繰り返し主題が高く、また低く聞こえてきます。だんだんとこちらの感覚が研ぎ澄まされていくように感じます。
曲はオーケストラ版もあります。もちろん後代の編曲です。こちらにもなかなかの魅力があります。
それにしても、逆に言えばオーケストラの大人数で演奏する曲を、両手両足を駆使して鍵盤で弾いてしまう、これはもう離れ業といっても過言ではないでしょう。
そういうことを考えているときは、集中して聴いていないんでしょうか。何しろ集中力がなくて…。
お勧めいたします。
(ブラウザの戻るボタンをクリックすると、抜粋一覧画面に戻ります)。
(2016/08/18 推薦盤、追記)
トッカータとフーガ~バッハ:オルガン名曲集 カール・リヒター
誰が何と言おうとリヒター、だと思います。しかも若いころの熱のこもった演奏で、タイトルの超有名曲から推薦曲まで、メジャーながらなかなかまとめて聞く機会のないオルガンの音色をお楽しみください。まだ20代の若々しい演奏。在庫わずか。(1,234円)
こちらはまさにオルガンの女王です。「全集201曲」!これは時間をかけてじっくり楽しむのがよろしいかと。何しろ14枚組ですから。時々聞きたくなるんですね、バッハは。在庫あり。(6,161円)
はい、こちら管弦楽編曲版です。編曲者ストコフスキーの指揮です。タイトルの曲も編曲で聞くとオルガンとはまた違った味があります。お取り寄せ。(1,234円)
タワレコいち押しでしたので紹介します。早くも「在庫わずか」。プレストンはイギリスの名演奏者。(1,836円)
なんとアマゾンではカール・リヒターの中古販売があるのがめぼしいところでした。
ただ唯一、
ヴァルヒャの新品はお勧めできるものです。曲目の多くがメジャーで楽しめると思います。
(800円強~5,000以上まで。中古ですがコンディションはさまざま)
リヒターならタワーがおすすめですね。在庫わずかですけど1,000円ちょっとですよ。
デジタルミュージックでは管弦楽版を150円で聞くことができますが。Prime会員なら無料です。
デジタルミュージックをお求めの際は、ぜひ上記のバナーよりお入りください。ちょっとびっくりしました。
Yahooはほとんどタワーと変わらない感じですので、ポイントがあればこちらで。
これはたぶんボックスセットに入っているものでしょうね。(1,080円)
こちらも既出です。値段が同じなのでYahoo使いの方に。(1,234円)
なぜアマゾンで見つけられないのかが不思議。定番でしょう。20代の情熱あふれる演奏。(1,234円)
こちらはリヒターで、1,960年代の録音です。ジャケット違いは1,950年代半ばですから、10年ほど後の録音となります。それでも30代の終わりか40そこそこのはずですので、いずれもはつらつとした演奏を期待できます。
トッカータとフーガ〜バッハ:オルガン名曲集 [ カール・リヒター ] |
トッカータとフーガ/J.S.バッハ:オルガン名曲集 [ カール・リヒター ] |
トッカータとフーガ〜バッハ:オルガン作品集 [ マリー=クレール・アラン ] |
J.S.バッハ:トッカータとフーガ[管弦楽曲集] [ レオポルド・ストコフスキー ] |
トッカータとフーガ/バッハ:オルガン名曲集 [ ヘルムート・ヴァルヒャ ] |
推薦盤を追記いたしました。