正確な題名は?奮え!リスト:交響詩「前奏曲」

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若いころこの曲が流行った時期がありました。クラシックにもブームみたいなものがありますね。どこのオーケストラも積極的に取り入れていました。

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ところでこの曲を「リスト作曲:前奏曲」と紹介する者がおりまして、あ~と嘆くこともしばしばでした。
この曲はいわゆる「前奏曲」ではありません。あくまでも「交響詩『前奏曲』」なのです。つまり「前奏曲(複数形)」というタイトルを持つ交響詩なのです。確かにちょっとややこしいですが。

それで、呼称として交響詩「レ・プレリュード」も定着し、誤解が少ないためによく用いられています。

なんでも「人生は死への前奏曲」という詩人の発想に基づき書かれたものなんだそうです。私は全然そうは思っていませんし、死を凌駕するものに希望を持っていますが、そういったことは関係なしに素晴らしい音楽です。

曲は4つの部分からなっており、切れ目なく演奏されます。と言っても四楽章に分かれた交響曲的なものではなく、いくつかの主題が速さ、雰囲気を変えて随所に現れます。モチーフとなるメロディはさほど多くないので、非常に素直に心に入ってきます。多くの部分は明るさを湛えていて、聴いた後にやる気が出ること請け合いです。

まず厳かに始まった曲はすでに最初のモチーフを使っています。それはすぐにはっきりとした形になって表れるのでとても分かりやすいです。この部分は「誕生」でしょうか?これから人生という荒海に乗り出していくぞ、といった気迫に満ち溢れています。

次の部分は戦いでしょうか?唯一暗く激しい人生の戦いを思わせます。しかし勇ましく善戦している様子がうかがえます。

続いて安らぎがやってきます。「戦士の休息」なのか「定年後の平和」なのかわかりませんが心癒される部分です。使われているモチーフは変わっていません。それがとても柔らかく優しく用いられています。

そしてラストへと突入していきます。華やかなファンファーレが鳴り響き(これも既に使われたモチーフからなりますが)、小太鼓のリズムにのったマーチや、既出のモチーフを小走りに聴かせて「回想」を暗示しているのか、細かいところは想像するしかありませんが、決して死へ向かっているという印象はありません。
それどころか、「すべてはここから始まる」と言わんばかりの熱い思いがたぎっています。その理性的な熱狂の中、この曲は終わります。

上から目線でいうのもなんですが、非常にバランスの取れた曲です。第二部分があるために甘々にならず、第三部分は平和や癒しをもたらしてくれます。全曲を通してきくと勇気凛凛、悲観的なところは一つもありません。

一曲でいろいろな効能のある、ちょっと不思議な交響詩です。プレリュードが複数形になっているのも暗示的です。

ところで、最近ちょっと推薦盤の枚数が多すぎるきらいがありました。もう少し絞ったほうがよさそうですね。それでも廃盤の壁は容易に打ち破れないので、クオリティの高い音源を探すのは、これで結構苦労しています。

シューベルト: 交響曲第8番「未完成」; リスト: 交響詩「前奏曲」; ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第3番<タワーレコード限定> アンドレ・クリュイタンス 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 、 ガブリエル・タッキーノ
録音自体は古いのですが、リマスター、それもCDとSACDを別々にリマスタリングしたというこだわりようです。名指揮者クリュイタンスの記念的録音です。(2,700円)

【SACDハイブリッド】レスピーギ:ローマの松/ベルリオーズ:ローマの謝肉祭 リスト:前奏曲 ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 フィルハーモニア管弦楽団
こちらは曲の配置が絶妙です。一気に聴くと少し疲れると思われるかもしれませんが、あっという間に聞けてしまうと思います。〆に「前奏曲」がある。面白いですね。レスピーギはいつか改めて取り上げたいと思っています。(3,240円)

上記は両方ともSACDハイブリッドなので少々お高いのが玉に瑕。それほど後世に残したい音源、ということなのでしょう。

Herbert von Karajan – German Music 1951-1960<限定盤> ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 フィルハーモニア管弦楽団 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
内容が良ければBoxセットも紹介することにしました。こちら12枚組です。(6,253円/セール5,127円)
曲の並びに一工夫ほしいですが、どれも聴くに値するものです。録音自体は古く、モノラルも含まれることにご注意ください。レ・プレリュードはステレオで入っています。

本当はショルティやハイティンクも紹介したいのですが、また多くなりすぎるので。
また、他の曲目に何が含まれるかも熟慮検討の上推薦しています。


レスピーギ:ローマの松、ベルリオーズ:ローマの謝肉祭 他 SACD カラヤン(ヘルベルト・フォン)
こちら上記で紹介したものと同じはずですが、SACDと書かれており、対応機器が必要ですとの注記も。
よくご確認の上お求めください。ハイブリッドのようなのですが責任は持てませんので。(2,848円)


リスト:交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第2番、第4番&第5番、メフィスト・ワルツ第1番 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ようやく普通のCDといった感があります。お値ごろですし。(1,100円)


リスト:管弦楽曲集 ニューヨーク・フィルハーモニック (アーティスト, 演奏)
バーンスタインとオーマンディが指揮していますが、レ・プレリュードはバーンスタインの指揮です。(1,049円)

送料無料を選びました。


レスピーギ:ローマの松、ベルリオーズ:ローマの謝肉祭 他/カラヤン(ヘルベルト・フォン)[HybridCD]
こちらは明確にハイブリッドと表記があります。(2,916円)


リスト : 交響詩《前奏曲》、ハンガリー狂詩曲第2番、第4番 & 第5番、メフィスト・ワルツ第1番 / カラヤン
ちょっとだけお安い。(1,090円)

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