続いて紹介せずにはいられない。ヴィラ=ロボス:「ブラジル風バッハ第1番」

Pocket

8人のチェリストによる演奏がこの上なく格好いい第1番。聴かないと損(?)。
第8番に比べるといくらかバッハ風な第一番。

02c3d2e42fdc1a5b2302256347fe1a67-e1471856521793序奏

なんだかシャンプーのCMのイントロみたいな?でもメロディーは野太くてカッコいいでしょう?3つの楽章により構成されていますが、第3楽章はフーガで、ここは確かにバッハっぽい。しかし、「ネスカフェ・ゴールドブレンド」のようにも聴こえる。・・・少々悪ふざけが過ぎましたね。1932年の作品です。

通して聴いても20分程度の曲ですが、ブラジル(南米)を想わせる内容の濃い、充実した時間を過ごせます。
聴けば聴くほど味わいが出てきます。

普通に考えると「第1番」なので、一般的な編成、例えば弦楽合奏(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス)などを使って書くのが普通のような気がしますが、ヴィラ=ロボスはあえてチェロだけを用いました。チェロの音域の広さや音色の多様さが存分に引き出されています。

考えてみてください。ビバルディが「四季」を(独奏ヴァイオリンは別として)すべてチェロで書こうとするでしょうか?
もちろん曲想が違うのですから意味のない比較かもしれませんが、想像だにしない困難なことでしょう。

逆の見方ですが、ヴィラ=ロボスがチェロに精通していたとすると、同じ楽器を使ったほうが書きやすかったかもしれません。いや少なくとも彼がチェロの力を確信していたことは断言できるでしょう。最初の挑戦でチェロの力に頼ったのですから。

私見ですがチェロは幾分地味な楽器で、表舞台に立つというよりも縁の下の力持ちのようです。チェロの目立った曲というと何が思い浮かびますか?サン=サンースの「白鳥」?コンチェルトではドボルザーク、エルガー、他にチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」、他には?武満徹の「オリオン」、クセナキスの「ノモス・アルファ」、いやいや現代の作品はメジャーとは言えません。
しかし弦楽合奏、オーケストラにはなくてはならない楽器です。この地味な(チェリストの皆さんごめんなさい)、しかしなくてはならないチェロを、それだけを使って力強く、多様な響きで、調和のとれた作品を書いたヴィラ=ロボスの力量には敬服せざるを得ません。この編成でどれほど私たちを楽しませてくれるかをどうぞご自分の耳でお確かめください。

「ブラジル風バッハ」の推薦盤については先回の「第5番」の投稿をご参照ください。
ただし、「第1番」を含まないものもありますのでご注意を。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください