新古典主義時代の傑作。ストラヴィンスキー:「3楽章の交響曲」

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「3楽章の交響曲」という題名の交響曲です。ストラヴィンスキーと聞いて引かないでください。「春の祭典」のようなバーバリズムの曲ではなく、新古典主義時代の作品です。けっこう元気をもらえる曲です。

ストラヴィンスキーの作品の多様さに触れていただければ幸いです。
いたってまじめな(?)交響曲です。確かに「古典」音楽とはまるで違いますが。第1楽章の力強い導入部に始まり、中間部にやや難解な感じを持つ第2楽章、そして切れ目なく第3楽章に入ります。第3楽章は再び力強く、第1楽章よりも遅いどっしりとしたテンポで始まり、ややテンポを上げていきリズミカルに終わります。

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試聴機の演奏はブーレーズ/ベルリンフィルの最初の部分からですが、クレンペラーの第3楽章ともなると相当ずっしりと重々しいです。

ストラヴィンスキーにはこの交響曲と、「ㇵ調の交響曲」「詩篇交響曲」という三つの有名な交響曲がありますが、他にもリムスキー=コルサコフの下で学んでいたときに作曲した交響曲第1番があります。なんとこれが作品番号1です。もちろんそれまで学生時代の習作などはあるのでしょうが、いきなり交響曲でデビューしたわけですね。
ちょっとだけですがチャイコフスキーの「変わった」曲のように聞こえるかも。
あと「管楽器のための」。これはちょっと別物の感あり。

ちなみにストラヴィンスキーはピアノも達者で、ピアニストになるか作曲家になるかでかなり迷ったようです。作曲家で良かったです。少なくとも私は。

彼自身の言葉として「作曲家は進歩はしない。変化するだけだ」というセリフを何かの本(小林秀雄氏?)で読んだことがあります。私は「若書き」という言葉があまり好きではなく大いに同感しました。「若書き」って言われると、まだ未熟な時代の作品、という印象があります。実際作曲技法(例えば管弦楽法)を学んでいくうえで上達することはあるのでしょうけれど、世に問うたらもうそれは完成品として受け入れられる覚悟なのですから。

それで、「変化」という意味ではストラヴィンスキーほど変化した作曲家は多くはないと言えるのではないでしょうか?絵画でいえばピカソ、みたいな感じでしょうか?彼も「進歩」はしてない、「変化」ですよね?

話がずれてきていますが、ストラヴィンスキーは決して「メロディー・メーカー」ではありませんでした。「火の鳥」をはじめ三大バレエでもロシア民謡からの引用がかなりあるそうです。例えば、あの「春の祭典」の導入部のファゴットの旋律も、ロシア民謡を変形させたものとする研究論文を見たことがあります。

なかなか元に戻りませんね。えーと、この作品は「火の鳥」のようにメロディアスでも「ハルサイ」のように原始主義でも「アゴン」のように無機質(ムラヴィンスキーが振ると土俗的)でもなく、理性的な情熱にあふれていると思います。ベートーベンの「英雄」のように、リストの「レ・プレリュード」のように。
評者によっては、ジャズのイディオムが用いられているとか。確かに終結の和音はクラシックではあまり聞いた覚えがありません。

あーだこーだ書いていますが、要するにこの曲が好きです。この後、ストラヴィンスキーは「ややだれた」ように聞こえる曲も書いていますが、三大バレエ以外、あるいは後期はもう駄目なんだと思ってほしくありません。これだけ充実した曲もあるんです、ということを訴えたいと思います。

 

 

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ストラヴィンスキー・ファンであれば押さえておいてよいかもしれません。

でも、やはり現代の耳と知性で磨き上げられた演奏も聞きたいですよね。


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