音楽に対する熱い思いがたぎる。寝付かれない夜にも。ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」

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ベートーヴェンのピアノソナタの中でも三大ピアノソナタに含められる名曲です。タイトルの「熱情」はやはりどこかのお節介さんが付けましたが、これは大正解だと思います。難聴が進んでいくという、作曲家にとって致命的ともいえる障害を乗り越えていく、熱情がたぎります。

辻井伸行による第三楽章

第一楽章はゆっくり、なにか恐る恐る始まりつつ、すぐに熱情の炎が燃え上がります。しかし、ここにはゆったりとした歌があり、長調の部分でも何か暗い重いものを引きずっているかのようです。そしてそれを振り切るように中心的な主題が熱っぽい演奏されます。テンポの揺らぎもいくらかありますが、浮き沈みの多い楽章と言えるでしょう。交響曲第5番の冒頭のリズム「タ・タ・タ・ターン」が冒頭部分に、そして終結部に入るところで聞こえます。決してあきらめることを知らない強靭な精神を持ってのみ、作曲可能となった作品でしょう。最後は消えゆくように終わります。

第二楽章は明るい変奏曲です。微塵の暗さも感じません。「熱情」の意味を取り違えてしまうような、うっとりとした旋律。非常にゆっくりと始められたテーマが音長を短くしていくことでテンポアップしているように聞こえます。この楽章だけ聞いていると眠たくなってしまうかもしれません。最後は再び最初に戻ってゆっくりと主題が演奏されます。最後に不安げな和音を残して曲は途切れることなく第三楽章へと続きます。

第三楽章はその和音を引き継いで開始されます。作曲当時としてはギリギリ許容範囲の「不協和音」なのだとか。すぐに第一主題が始まり第二主題も短いものです。ほぼこの二つの断片の変形や分解で曲は構成されています。とはいえ、大変複雑な主題操作をしているので一気呵成に流れ込んでくる音の渦には飽きるということがありません。このものすごい熱気はいったいどこから来るものなのか?第二楽章の甘いうっとりした曲想はなんだったのか?

「熱情」というタイトルが適切であるとするならば、それは「音楽」そのものに対する煮えたぎるような熱い思い以外の何物でもないことがわかります。自分の置かれた境遇を真正面から突き破っていくような強い印象。ベートーヴェンの中でも大傑作とされるだけのことはあります。

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