なぜ最終楽章なのか?それはこの曲があまりにも長くて、全部聞くと疲れるからです。BGMなら構いませんが。最終楽章といっても第四楽章ではありません。第六楽章です。とにかく長いです。最終楽章は(実はそれだけでも長くて20分以上かかるのですが)、そこだけ聞いても感動できます。
愛・自然、着想はいろいろあれどマーラーの自信作なのでしょう。「自然をそんなに観察しなくてもいいんだ。僕が全部作曲してしまったのだから」という有名な言葉はいささか驕っていると感じられます。が、一つの曲想でこれだけ多様で長大な作品を書く手腕には舌を巻きます。彼の作品には好悪の差が激しい私ですが、この部分だけは何度聞いても聞き飽きるという事がありません。
静かに始まった旋律が全体を一貫するものとなっています。音楽の振れ幅はかなり大きいですが、最初の印象を大きく逸脱することはありません。中間の部分で少し暗くなってきたかな、と思うと再び明るい旋律に戻っていきます。最後の盛り上げ方はすでに熟練の境地を感じさせます。音がだんだん小さくなっていき、対照的に緊張度が最大限に高まり、そこからの長いクレッシェンドでティンパニの打撃に至るころには、まさにこの長尺の曲のフィナーレにふさわしい威厳と気品に満ちた感動があります。
マーラー:交響曲第3番 ベルナルト・ハイティンク ¥2,484
2枚組。一押しですが在庫は少ないようです。また出るのではないかと思いますが。
全部聴ける11枚組。私は「悲劇的」は聴かないですが、全集としての内容が良くお得感があります。第3番はベルリンフィルです。
タワレコで推薦したものです。
こちらは異なります。ウィーンフィルとの共演でレビューが高評価でしたので紹介します。
Leave a Reply