プロコフィエフのバレエ曲は既にご紹介しましたが、こちらは作曲の途中から「幻想序曲」というタイトルが付された純音楽です。ストーリーに沿って時系列に音楽は進みはしますが、バレエほど筋立てに縛られることなく聞くことができます。
かなりの回数聴かれている名演奏だと思います。
どうしても悲劇ということから敬遠されがちかもしれません。シェイクスピアの演劇を見ると(昔BBC制作のスタジオ収録版が放映されていました)、決してやるせない幕切れではなく、和解の光が温かく輝くものだったと記憶しています。チャイコフスキーの作品も最後は明るさを取り戻し、光輝の中でエンディングを迎えます。
いくつかの特定のメロディーが要所要所で登場しますので、何回か聞いているとどのメロディーが何を表しているのかおおよそ見当がつくようになります。作曲者は細かいプログラムを組んで構成しているようですし、Wikiで見ていただければ、一部バレエのように一音が表す場面が指摘されています。それでも、戯曲全体を覆っている幸福と悲劇の入れ替わり立ち替わりがよく表現されていると感じます。
全容をつかむのには何度か聞いてみる必要があると思いますが、聞けば聞くほど味わいが増してくると思います。比較的初期の作品でフレッシュな印象があります。作曲はかなり難航してアドバイスを求めたりしたようで、現在私たちが聞く最終稿に至るまで何度も校訂を繰り返したことなど、苦労の末に生み出された作品はやはり素晴らしいものがあります。
そういえば「刑事コロンボ」でトリックに使われていた曲がこの曲でした。曲目自体はあまり意味がないのですが・・・。最後の盛り上がりの部分が印象に残っています。
生演奏で聞けば、すぐ良さがわかるのでしょうが、録音ですと(基本的にどの曲もそのようなのですが)繰り返し聞くうちに良さがわかってきます。この曲もそうですね。
チャイコフスキー:幻想序曲≪ロメオとジュリエット≫、組曲≪くるみ割り人形≫ [UHQCD]<初回限定盤> ヘルベルト・フォン・カラヤン ¥1,944
予約盤です。やはり名盤は繰り返し発売され続けるのですね。2017年3月8日予定。お急ぎの方はAmazonで。
交響曲全曲を含む7枚組です。協奏曲以外ほとんどが収録され、かつ初CD化2曲を含む全集。この一曲を紹介するのに仰々しいですが良いものは良い、ということで。
「くるみ割り人形」中心の2枚組。そちらの評価が非常に高いのですが…。小品の曲目が良いですね。
こちらがタワーと同じ’17/3/8発売のものです。
いくつかの交響曲との組み合わせがありますが、4番との組み合わせを選びました。続けて聴くのにバランスが良いと思います。
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