番外編・コンサート報告:PMF2016年東京Cプロ

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今日は、いえ既に昨日ですね、ワレリー・ゲルギエフを聴きにサントリーホールに行ってきました。オケはもちろんマリインスキー・・・ではなく(値段高すぎ!)、PMFオーケストラです。PMFについてはホームページをご覧ください。世界各地から選り抜きの若手たちが特訓を受けての演奏です。

去年も行ってとてもよかったので、今年も早々にチケットを取りました。
曲目はメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」しか確認しておらず、てっきりイタリアで〆るのかと思いきや、トップバッターでした。続いてブラームスのバイオリン協奏曲、そして〆はこともあろうにショスタコーヴィチ交響曲第8番。いやぁ、ショスタコーヴィチ好きの私としてはうれしい限りですが、待てよ?この曲、1時間くらいかかるんじゃなかったっけ・・・?

終演は午後10時となりました。さすがに聴衆の疲れもピークに達し、早めに席を立つ人が目立ちました。今ホームページで調べたところ、コンチェルトは「追加曲目」だったとか!それは長くなるはずですよ、確かに。

内容ですが「イタリア」は期待通りの良い出来でした。いずれ「名曲」で紹介するつもりですが、今回の演奏は若々しく、またみずみずしく引き締まった爽やかなものでした。とてもよかったです。

ブラームスも素晴らしかった。ソリストはレオニダス・カヴァコスというバイオリニストで私は知りませんでしたが、この人はれっきとしたプロの(つまり学生でない)演奏家です。追加されたということですがオケに乱れはなく、よい共演になりました。カデンツァがやたらと長くて(私はこの曲に詳しくないのですが通常のものなんでしょうか?)、加えてアンコール曲も無伴奏のバロックの曲(初耳)で、こちらも長い。しかし、カヴァコスはまず間違いなく名演奏家として躍り出ることでしょう。

休憩をはさんで(アイスコーヒーをがぶ飲み)、ショスタコーヴィチ交響曲第8番。これは重いです。好きですけど重いです。もしコンチェルトを入れるならそれを一曲目に回し、2曲目に「イタリア」、あとはアンコール曲で十分満足できたのではないでしょうか?あるいは小品を先頭に一曲入れて、コンチェルトと「イタリア」という手もあります。
もっとも、さんざん練習してきたのにショスタコーヴィチをやらないとなると出番のなくなってしまう演奏者がいる可能性を考えると、どうにもならなかったのでしょうね。

出来は・・・。よくがんばったで賞、というところでしょうか。ソロをとった奏者の中には素晴らしい音色を聞かせてくれた人もいました。私はホルンのソロが卓越していると思いました。あとピッコロも。

去年は同じショスタコーヴィチ交響曲第10番が〆。ウィリアムテル序曲とラフマニノフの二番のピアノコンチェルトもありました。全体の出来を見ると去年のコンサートのほうがちょっと良かったかも。最後は盛り上がって、アンコール付きだったと思います。

今年は選曲に難があったと思います。マエストロ(と呼ぶにはまだ早い?)はショスタコーヴィチの交響曲の全曲録音を出していますが(途中かな?終わったかな?)、いわゆるクラシック好きの聴衆にはまだまだ8番は受け入れにくいかもしれません。ちなみに、このブログで紹介する予定は今のところありません。好きですけど(笑)。私でしたら(僭越ですが)第6番か第9番を推薦します。

9番、10番、さらに6番はメリハリがはっきりしていて、曲が盛り上がって終わるのに対し、8番は最弱音で終わります。しかも幾つかのモチーフがいろんなところに顔を出すので、いま曲のどの辺にいるのかさっぱりわからない。同行した妻も「いったいいつになったらこの曲終わるのかと思った」と感想を述べておりました。私が楽しかったのならよかった、と言ってくれる優しい妻です。

と、のろけている場合ではないですね。
現在の日本のクラシックファンにとって、ショスタコーヴィチの交響曲の中で最も、とまでは言いませんが、かなり受容しがたいのは第8番ではないでしょうか?正直のところ私も疲れました。最初の二曲の印象が吹っ飛んでしまう感じです。

ムラヴィンスキーの演奏のCDでは(CDだからかもしれませんが)、そんなに疲れる曲ではないし、構成感ももう少しあるので、こうなるともうマエストロ(と呼ぶにはまだ若い?)の責任・・・なんでしょうね。

誤解のないように言いますが、演奏は素晴らしいものでした。迫力があり、ゲルギエフに率いられた楽員の繊細で大胆で自信にあふれた快演でした。かなり「よくがんばったで賞」。ただしもうお腹一杯。フードファイト、ギブアップと言えばお分かりいただけるでしょうか?

しばらくしたら、改めてCD等を比較して検証してみたいと思います。「名曲」として紹介できる日が来るかもしれません。

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