「交響曲」と言っても、楽章に分けられた普通の交響曲ではありません。全体が一続きの曲であり、登山の様子が音楽によって描写されています。
登山好きの方、多いですよね。それも年配者の中に。
私は以前は尾瀬などに行きましたが、山登りはあまり得意ではありません。高尾山にも最近はケーブルカーを使ってしまいます。
友人の60代の方々のほうが元気です。
でも登った時(尾瀬では下った時?)の達成感は何とも言えません。気持ちがよいです。ですから、登山好きの方の気持ちがわからないでもありません。が、だんだん筋肉もおちているこの頃、この曲を聞けば登山の爽快感が味わえるかと思っています。
もちろん、山好きの方ならこの曲の良さがすぐにわかっていただけると思います。
部分的には色々なところで使用されることがあるので、聞いたことのある個所があるかもしれません。
曲はまず最初にふもとでの夜明けから始まります。そして登山の開始、森に入る、小川、滝、草原、牧場、氷河といった具合に登山中に目にするものが音で描写されます。
途中道に迷ったり、危険な目にあったり(雷)しますが、ついに頂上にたどり着きます。
今度は下山です。霧が出て、陽が陰り、ついに嵐になってしまいます。が、無事にふもとにたどり着き、日没を迎えます。
興味深いのは、山を表すフレーズや、太陽を表すフレーズなどがあること、そして山登りのフレーズは下るときには山登りの逆に演奏するなど、細かな描写音楽になっている点です。太陽のフレーズは日の出と日没で逆になっていたりもします。
風を表す「ウインドマシーン」(ラヴェルの「ダフニスとクロエ」にも使われています)が使われていたり、シュトラウス自身が考案した「サンダーマシーン」により、落雷が表現されているなど、凝りに凝っています(試聴機の37分20秒あたりで映像が見られます)。
もしかするとご自分の登山を思い出されるかもしれません。あるいは登山をした気分を味わえるかもしれません。
音楽による「登山」、ぜひお楽しみください。
ちなみに、この作曲家は「リヒャルト・シュトラウス」とか「R・シュトラウス」と呼ばれますが、これは”ワルツの父” ヨハン・シュトラウス、また”ワルツ王”ヨハン・シュトラウス二世と間違えられないためです。
では推薦盤です。
推薦盤が多くて、どれを選んだらよいかよくわからないとの声があり、枚数を絞ることにいたしました。
一曲につき1~2枚程度にしたいと思います。価格やポイントなどでお店を選んでください。
ただし、今回は驚きのボックスセットもご紹介します。
【SHM-CD】 R.シュトラウス:アルプス交響曲 ベルナルト・ハイティンク
こちらが今回のおすすめ!端正であざとさのない名演で、1980年代の録音ですが、オーケストラは絶頂期のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です。(1,620円)
こちらは売れ筋から探しました。人気が高いです。なぜか?それはオーケストラがサイトウ・キネン・オーケストラだからです。ハーディングは日本ではメジャーではないかもしれませんが、小澤征爾の強い希望で指揮を託されたとのことです。「ひとつの極致」との評価も。ライブ盤です。(2,880円)
さて、ここからはおまけのビックリBOXセットです。
団塊の世代の方々をターゲットに(?)紹介します。
さすがに高いです。録音も古いです。しかし、「くるみ割り人形」の希少な形態の組曲があったり、「幻想交響曲」「ペトルーシュカ」さらにはプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」なども入った6枚組です。
ムラヴィンスキー・ファンなら必携です。(通常価格¥5,929/セール価格¥4,328)。
さてこちらは、リヒャルト・シュトラウスにどっぷり浸かりたい方に。ベルリンフィルとの共演です。ただし2016/10/14発売開始なのでしばらく待ってください。高いようですが8枚組です。(通常価格¥3,337/セール価格¥2,469)
こちらは二枚組ですが、「英雄の生涯」と「アルプス交響曲」のセットです。「超名演」との評価。これは手元に置きたいです。(¥3,976)
これ高いですね。¥24,522。しかし・・・椅子から滑り落ちないで読んでください。なんと78枚組です。一枚当たり315円弱。「アルプス交響曲」」はDISC1に収められています。ベルリンフィルとの1980年代の演奏のセットです。(通常価格¥29,905/セール価格¥24,522)
さて、また戻りましてAmazonです。
すでにご紹介したサイトウ・キネン・オーケストラ版です。通常版ということで少し安いですね。(¥ 2,316)
ベルリンフィルです。まさにその場にいるかのような熱演をお楽しみください。(¥ 1,600 )
(1,620円)
(2,332円)
R.シュトラウス:アルプス交響曲 [ ベルナルト・ハイティンク ]
価格:1377円(税込、送料無料) (2016/8/28時点)
R.シュトラウス:アルプス交響曲 [ ヘルベルト・フォン・カラヤン ] |
推薦盤を追記しました。
私がリヒャルト・シュトラウス「アルプス交響曲」を聴くきっかけになったのが、ズービン・メータ指揮ロスアンジェルス・フィル演奏のLPレコードだったと記憶しています。当時、自分は中学生でした。
メータ/ロス・フィル、いいですね〜。私も中学生の時、放課後音楽室で仲間たちとホルストの「惑星」をLPで聴いた思い出があります。盛り上がりました。